
売れるホームページの作り方は?成果を出すポイントを徹底解説
中小企業の経営者やWeb担当者の中には、「デザインに凝ったホームページを作ったのに問い合わせが増えない」「アクセスはあるのにコンバージョン率が低い」とお悩みの方も多いでしょう。せっかく費用と時間をかけて作ったホームページが期待した成果を出さないと、もどかしいですよね。この記事では、そんな悩みに寄り添いながら「売れるホームページ」を実現するためのポイントを詳しく解説。ターゲット設定からUX設計、SEO対策、そして運用改善まで、順を追って紹介していきます。小手先のテクニックではなく、ビジネス成果につながる本質を押さえたホームページ作りの知識を身につけたい方はぜひご覧ください。
そもそも「売れるホームページ」とは?
ホームページは単なる会社案内ではなく、ビジネスの成果を生み出すためのツールです。「売れるホームページ」とは何かを一言で表せば、目的とする成果をしっかり達成できるホームページと言えます。ここではまず、「売れる」の意味や、逆に売れないホームページにありがちな問題点について整理してみましょう。
売れる=目的を果たすホームページ
企業によってホームページの目的は様々です。商品の直接販売がゴールの場合もあれば、問い合わせフォームからの相談獲得や資料請求がコンバージョン目標の場合もあります。「売れるホームページ」とは、設定した目的(コンバージョン)を高い確率で達成できるサイトのことです。
例えばECサイトであれば購入率が高い、サービス業なら問い合わせや予約につながりやすい、といったように、訪問者を効果的に顧客化できるホームページが「売れている」と言えます。アクセス数ばかり多くても、肝心の成果(コンバージョン率)が低ければ「売れている」とは言えません。まずは自社サイトの目的を明確にし、その達成度合い(CVR:コンバージョン率)を指標に考えることが大切です。
売れないホームページのよくある特徴
一方で、「売れないホームページ」には共通する残念な特徴があります。以下に、よく見られる問題点を挙げます。ターゲットや目的が不明確誰に何を伝えたいサイトなのか分からず、メッセージがぼんやりしている。コンテンツがユーザー目線でない商品の強みや顧客のメリットが伝わらず、会社側の自己満足な内容になっている。導線やCTAが分かりにくいどこをクリックすれば問い合わせできるのか、購入できるのかが直感的に分からず、ユーザーが迷って離脱してしまう。スマホ対応や表示速度に難があるスマートフォンで閲覧したときに崩れていたり、読み込みが遅かったりして機会損失している。
このように、サイトの目的・ターゲットと内容がかみ合っていなかったり、ユーザビリティに問題があると成果には結びつきません。自社のホームページが当てはまっていないか、まずチェックしてみましょう。
「デザインが良い」だけではダメな理由
デザインの美しさは第一印象として重要ですが、見た目が良いだけでは売上には直結しないことに注意が必要です。なぜなら、ユーザーは「おしゃれなサイトだ」という理由だけで問い合わせや購入を決めるわけではないからです。極端な例を言えば、どんなに洗練されたデザインでも、欲しい情報が見つからなければユーザーは離脱します。実際、内容が伴わず自社目線の自己満足になっているサイトは、いくらデザインに凝っていても成果を出しにくいものです。もちろんデザインは大切ですが、それ以上にユーザーにとって分かりやすく価値が伝わることや使いやすさが重要です。見た目の良さはそうした基本がしっかりしていて初めて効果を発揮します。「デザインさえ良ければ売れる」というのは誤解で、コンテンツや導線設計、信頼性といった要素が揃ってこそ売上につながることを覚えておきましょう。
売れるホームページに共通する7つの要素
では、成果を出している「売れるホームページ」にはどんな共通点があるのでしょうか。ここでは、数多くの成功事例に見られる7つの重要要素を紹介します。自社サイトをチェックし、これらの要素がしっかり盛り込まれているか確認してみてください。
ターゲットを明確にしている
売れるホームページは例外なくターゲットが明確です。誰に向けた商品・サービスなのかがはっきり示されており、訴求メッセージもそのターゲットに響くよう工夫されています。具体的には、年齢層や業種、抱えている課題など想定ユーザー像(ペルソナ)が定まっているため、サイト内のコンテンツや表現に一貫性があります。例えば見込み顧客が経営者なのか一般消費者なのかで、有効な訴求ポイントは変わります。ターゲットを明確に設定することで、ユーザーは「自分向けの情報だ」と感じやすくなり、結果としてコンバージョン率向上につながります。
ファーストビューが魅力的
訪問者が最初に目にするファーストビュー(第一画面)の出来は、サイトの成否を左右します。人はページを開いて数秒で「このサイトを見る価値があるか」を直感的に判断すると言われます。実際、ファーストビューで離脱してしまうユーザーの割合(直帰率)は、ランディングページで70%以上、一般的な企業サイトでも40〜60%にも上ります (※1)。つまり半数以上のユーザーが最初の3秒以内にサイトを去っている計算です。この数字からも、ファーストビューでユーザーの心を掴むことがいかに重要かわかります。売れるホームページでは、第一印象の段階で「ここには自分に有益な情報がありそうだ」と感じさせる仕掛けがあります。具体的には、キャッチコピーで強みやベネフィットを端的に伝える、魅力的なビジュアルや商品画像を配置する、ファーストビュー内にCTAボタンを設置する(後述)などの工夫です。こうした要素が揃うことでユーザーは続きを読み進め、コンバージョンへと進みやすくなります。
わかりやすい導線設計(UX)
「導線設計」とは、ユーザーをスムーズにゴールまで導くためのサイト内の動線づくりです。売れるホームページではこのUX(ユーザー体験)設計が練られており、訪問者が迷わず直感的に操作できます。例えば、ナビゲーションメニューが分かりやすく必要な情報にすぐ辿り着ける、ページ内の見出し構成が論理的で読みやすい、といった工夫です。また、重要なボタンやリンクは目立つ色や大きさで配置し、ユーザーが「次に何をすれば良いか」を迷わず行動できるようになっています。お問い合わせや購入フォームへの導線がページ内の適切な位置に配置されていることも大切です。導線設計が良いサイトはユーザーの離脱率が下がり、回遊率や滞在時間が延びる傾向があります。結果としてコンバージョンに至る可能性も高まるのです。
信頼感を与えるコンテンツ(実績・レビューなど)
ユーザーが商品やサービスを選ぶ際、この会社は信頼できるのかを非常に重視します。そこで、売れるホームページは訪問者に安心感を与えるための情報が充実しています。具体的には、導入実績や顧客の声(レビュー)、受賞歴やメディア掲載実績、スタッフや代表者の専門性を示すプロフィール、さらには商品のビフォーアフター事例などです。第三者からの高評価や具体的な実績データがあると、「この会社なら大丈夫そうだ」と感じてもらえます。また、権威性や安全性を示す要素も有効です。例えば、業界団体の認定マークやセキュリティ証明(SSLの鍵マーク表示など)は信頼性アップにつながります。こうしたコンテンツの充実は「E-E-A-T」(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)の観点でも重要です。「E-E-A-T」とはGoogleがコンテンツの質を評価する指標で、日本語では「経験・専門性・権威性・信頼性」を指します。信頼できる情報を提供することでユーザーの安心感が高まるだけでなく、検索エンジンからの評価(SEO面)でもプラスに働くのです。
スマホ対応・レスポンシブデザイン
今やWebサイト訪問者の大半はスマートフォンからと言っても過言ではありません。実際、情報検索に最も利用される機器は全体の約7割がスマホという調査結果もあります(※2)。このためモバイルフレンドリーな設計は必須条件です。売れるホームページは、PCだけでなくスマホやタブレットでも快適に閲覧・操作できるレスポンシブ対応がされています。レスポンシブ・スマホ対応がされているWebサイトは画面サイズに応じてレイアウトが最適化され、文字も画像も見やすい状態です。逆にスマホ対応が不十分だと、せっかく訪れたユーザーもストレスを感じて離脱してしまい、機会損失となります。またGoogleはモバイル対応をランキング要因に含めており、モバイルファーストインデックスを導入しています。これはスマホ版サイトの内容が検索順位に優先的に反映される仕組みです。その意味でも、ホームページは必ずスマホでの使い勝手を意識して作り込みましょう。
SEO対策が施されている
どれほど魅力的なサイトでも、ユーザーに訪れてもらえなければ始まりません。売れるホームページの裏側には、しっかりとSEO対策(検索エンジン最適化)が施されています。具体的には、狙ったキーワードに対して適切なタイトルや見出しを設定し、関連するコンテンツを充実させることです。また内部リンクの最適化や画像の代替テキスト設定、ページ表示速度の改善など技術的なSEOも重要です。SEO対策が万全なサイトは検索結果からのオーガニック流入が増え、安定した集客が可能になります。結果としてコンバージョンの母数が増え、売上アップに直結するのです。
CTA(行動喚起)が適切に配置されている
CTA(Call To Action)とは「行動喚起」のことで、ユーザーに起こしてほしい具体的行動を促すボタンやリンクのことです。売れるホームページではこのCTAの配置や表現が的確で、ユーザーをスムーズにコンバージョンに導いています。例えば、「無料相談はこちら」「今すぐ問い合わせる」「資料をダウンロード」など、ユーザーにとって明確で魅力的なCTAボタンが各所に配置されています。重要なのは、CTAが目立つデザインであることとユーザーの興味が高まったタイミングで提示されていることです。ファーストビュー内に主要CTAを置くのは鉄則ですが、ページ下部やコンテンツの合間にも適宜配置し、スクロールしなくてもすぐ行動を起こせるようにします。また、CTAの文言も工夫しましょう。ユーザーがメリットを感じられる表現(例:「お問い合わせ」より「無料相談で専門家に質問できる」など)にするとクリック率が上がります。適切なCTA設置は、訪問者の背中を後押しし、結果的にコンバージョン率を高めるカギとなります。
成果につながるホームページ設計のステップ
売れるホームページを作るためには、闇雲にデザインやコンテンツを詰め込んでも成功しません。しっかりとした設計プロセスに沿って構築することが重要です。ここでは、サイト制作時に踏むべき基本的な6つのステップを紹介します。計画段階から運用を見据えて準備することで、公開後の成果創出がぐっと現実味を帯びてきます。
①ペルソナ設定とカスタマージャーニーの把握
まず取り組むべきはペルソナ設定です。ペルソナとは、サービスや商品の典型的な理想顧客像を具体的に描いた架空の人物モデルです。年齢、性別、職業、抱えている課題、情報収集経路、価値観などを細かく設定します。これにより「誰に向けてサイトを作るのか」がブレなくなり、デザインやコンテンツの方向性が定まります。次にカスタマージャーニーの把握を行いましょう。カスタマージャーニーとは、ペルソナが商品やサービスを認知してから購入・契約に至るまでの一連の道筋(プロセス)を指します。例えば「課題に気づく→情報を検索→比較検討→問い合わせ→成約」といった段階です。各段階でペルソナが求める情報や感じる不安を洗い出すことで、サイト上で提供すべきコンテンツやナビゲーションが見えてきます。ペルソナとカスタマージャーニーを明確にすることは、以降の全ての設計ステップの土台となる重要作業です。
②コンバージョンポイントの設計
次に、サイト上でのコンバージョンポイントを設計します。コンバージョンポイントとは、ユーザーに達成してほしい行動(問い合わせ送信や商品購入など)を起こす場所・要素のことです。例えば「お問い合わせフォーム」「資料請求ボタン」「カート(購入ボタン)」などが該当します。これらのポイントを明確に定め、それに向けてユーザーを導く導線を考えます。設計の際には、コンバージョンまでのハードルを可能な限り下げることがポイントです。入力フォームであれば項目数を必要最低限にする、購入フローなら画面遷移をできるだけ少なくする、といった工夫が有効です。また、コンバージョン直前にユーザーが不安を感じないよう、FAQ設置やサポート体制の明示などで安心材料を提示しましょう。大事なのは、サイト内のどのページからでも適切なCTAを通じてコンバージョンポイントに辿り着けるようにすることです。ユーザーが「問い合わせしたいけど、どうすれば…」と迷うことのないよう、サイト全体の導線と各ページの配置を検討しましょう。
③競合分析と差別化戦略
市場で成果を上げるには、競合他社のサイト分析と明確な差別化戦略が不可欠です。まず競合のホームページをリサーチし、デザインやコンテンツ、提供情報、SEOキーワードなどをチェックします。競合サイトの優れている点は参考にし、不足している点やユーザーの不満につながりそうな点は自社でカバーするチャンスです。その上で、自社の強みや独自の売りをサイト上でしっかり打ち出しましょう。他社にはないサービスの特長や価格面での優位性、サポートの手厚さなど、ユーザーが御社を選ぶ理由を明確に示すことが大切です。差別化ポイントはキャッチコピーやトップページの目立つ場所で強調すると効果的です。また、競合が対応していないニッチなニーズやキーワードを狙ってコンテンツを作成するのも戦略の一つです。競合分析で得た知見を踏まえ、自社サイトならではの価値を設計に盛り込みましょう。
④コンテンツ設計とライティング
サイトの骨格が固まったら、具体的なコンテンツ設計とライティングに移ります。コンテンツ設計では、各ページにどのような情報を載せるか、ページ間をどう繋ぐかをプランニングします。ここで重要なのは、前述のペルソナとカスタマージャーニーを意識し、ユーザーの知りたいこと・不安に思うことを先回りして解消する内容を準備することです。トップページではサービス概要と強み、商品ページでは詳細スペックや事例、FAQページでよくある質問への回答…といった具合に、ユーザー視点で必要十分な情報を揃えます。ライティングにおいては、分かりやすい言葉選びと構成を心がけます。専門用語は噛み砕いて説明し、長文は適宜段落や箇条書きを使って読みやすくしましょう。また各ページには適切なキーワードを盛り込みつつも、不自然にならないよう注意します(これもSEO対策の一環です)。こうしてユーザー目線で丁寧に作り込んだコンテンツは、訪問者の満足度を高めるだけでなく、後々の集客や信頼構築にも直結するサイトの財産となります。
⑤デザインとUI/UX設計
内容の設計と並行して、デザインとUI/UX設計にも十分な時間を割きましょう。単に見栄えを良くするだけでなく、ユーザビリティとブランディングの両面で最適なデザインを追求します。まずサイト全体のトンマナ(トーン&マナー)を決めます。これは色使いやフォント、写真の雰囲気など、ターゲットに合った世界観を演出する指針です。次にUI/UX設計として各ページのレイアウトやナビゲーション配置を考えます。重要なのはユーザーがストレスなく操作できるかどうかです。ボタンの大きさ・配置、リンクの押しやすさ、フォームの入力しやすさなど細部まで配慮しましょう。また、前述のレスポンシブ対応もデザイン段階で組み込みます。モバイル画面ではハンバーガーメニューにする、PC画面ではグローバルメニューを横並びに表示する等、各デバイスで最適なUIになるよう設計します。デザインは自社のブランドイメージを体現しつつ、UXの原則に則ってまとめることで、見た目の良さと使いやすさを両立させましょう。
⑥アクセス解析ツールの導入
ホームページ公開後の効果測定と改善に備え、アクセス解析ツールを必ず導入しておきます。代表的なものはGoogleアナリティクス(GA4)で、サイト訪問者数やユーザー行動、コンバージョン数などを詳細にトラッキングできます。加えて、Googleサーチコンソールを使えば検索クエリやSEOパフォーマンスの分析も可能です。さらに、ユーザーのページ内行動を可視化できるヒートマップツールも導入しておくと良いでしょう。ヒートマップを見れば、ユーザーがどこまでスクロールしたか、どのボタンをクリックしているかといった情報が一目で分かります。これらのツールを適切に設定し、コンバージョン計測(目標設定)も忘れずに行いましょう。解析環境を整えておくことで、公開後にデータに基づいた改善サイクルを素早く回せるようになります。サイト制作段階から計測の仕組みを組み込んでおくことが、長期的な成果創出には不可欠です。
売れるホームページにするための改善ポイント
ホームページは公開して終わりではなく、そこからが本当のスタートです。継続的にデータ分析と改善を繰り返すことで、徐々にコンバージョン率を高めて「売れるホームページ」に育てていくことができます。ここでは、公開後に取り組むべき改善ポイントを3つ紹介します。
アクセス解析から課題を発見する方法
まずはアクセス解析ツールのデータから現状の課題を洗い出しましょう。ポイントは、ユーザーがどこで離脱しているか、どこに滞留しているかを把握することです。具体的には、Googleアナリティクスで以下の指標を確認します。直帰率や離脱率どのページで多くのユーザーがサイトを去っているかをチェックします。直帰率が高いページはファーストビューやコンテンツに問題がある可能性があります。コンバージョン経路の分析コンバージョンに至るまでにユーザーが辿った経路を確認し、途中で離脱が多いステップを特定します。フォーム入力ページで離脱が多ければ項目数削減など改善の余地があります。ページ滞在時間やスクロール率各ページの平均滞在時間が極端に短い場合、内容がユーザーの期待に沿っていない可能性があります。スクロールの深度データ(ヒートマップ)を見れば、どのあたりで興味を失ったかが推測できます。
さらにヒートマップを活用すれば、ページ内のどの要素が注目されているか、逆に無視されているかも分かります。例えば「重要なCTAボタンがまったくクリックされていない」「想定と違う箇所がクリックされている」などの発見があるでしょう。これら解析結果から「情報が不足している」「導線が分かりにくい」「ターゲットとずれている」など仮説を立て、改善すべき課題を明確化します。
CVR(コンバージョン率)改善のための施策例
課題が見えたら、具体的なCVR改善施策に着手します。コンバージョン率向上につながる代表的な施策をいくつか挙げましょう。ファーストビューの改良直帰率が高い場合、トップページの見せ方を見直します。キャッチコピーをより明確にしたり、魅力的なビジュアルに変更したり、すぐ下にメリットを訴求する要素を追加したりします。コンテンツの充実と整理ユーザーに必要な情報が不足しているページにはコンテンツを追加します。逆に情報過多で要点がぼやけている場合は整理・削減します。特にサービス紹介ページではユーザーの疑問を解消する内容(Q&A、比較表、口コミなど)を充実させましょう。信頼性の付加コンバージョン直前の不安を取り除くため、実績や保証に関する情報を強化します。例えば「導入社数○社」「満足度98%」といった実績データを目立つ位置に表示したり、利用者の声や第三者評価を追加したりします。フォームの最適化お問い合わせや資料請求フォームは入力項目を見直し、ユーザーの負担を減らします。必須項目を絞り込み、電話番号入力を任意にするなどハードルを下げることで完了率を高めます。CTAと導線の改善CTAボタンの文言・色・配置を調整しクリック率を高めます。「今すぐ問い合わせる」ボタンの色を目立たせる、一ページ内にCTAボタンを複数配置する、といった工夫です。またユーザーが行動しやすいよう、視線誘導の矢印や誘導テキストを追加するのも効果的です。これらは一例ですが、サイトの弱点に応じて適切な施策を講じることでCVRは少しずつ向上していきます。重要なのはデータに基づいて優先度の高い改善から取り組むことです。仮説検証を繰り返しながら、段階的にコンバージョン率を高めていきましょう。
ABテストで成果を最大化する方法
改善策の効果を検証し、さらなる成果向上を目指すにはABテストの活用が有効です。ABテストとは、ページの要素についてAパターンとBパターンの2種類を用意し、実際のユーザーにランダムに表示してどちらが高い成果を出すか検証する手法です。例えば、CTAボタンの色や文言を変えたA案とB案でクリック率を比較する、といった具合です。ABテストを使えば感覚ではなくデータに基づいた改善が可能になります。実施にあたっては、一度に変更する要素を1つに絞り、十分なサンプル数(アクセス数)が集まるまでテストしましょう。結果が出たら勝者のパターンを正式に採用し、次の改善施策へ進みます。このようにPDCAを回し続けることで、コンバージョン率は着実に向上していきます。
ホームページ制作・リニューアル時の注意点
初めて本格的にホームページを作る、またはリニューアルする際に押さえておきたいポイントを解説します。よくある失敗を防ぎ、投資対効果の高いサイト構築を実現するために、以下の点に注意しましょう。
制作会社の選び方と見極めポイント
ホームページ制作を外部に依頼する場合、制作会社選びが成否を分けます。価格だけで判断せず、実績や提案力を重視しましょう。過去の制作事例で集客や売上アップの成果を出している会社か、こちらの目的を理解した上で新たな提案をしてくれるかを確認します。また、見積もりの内訳と納品範囲を詳細にチェックし、不明点は契約前にクリアにしておくことも重要です。自社の業界に精通しているか、アフターフォロー体制はあるかなども含め、総合的に信頼できるパートナーを選定しましょう。
費用対効果を考えた予算設計
ホームページ制作にはコストがかかりますが、闇雲に節約したり過剰投資したりせず費用対効果(ROI)を意識した予算設計を行うことが大切です。サイトの目的や規模に見合った適切な投資額か検討し、初期制作費だけでなく運用にかかるランニングコストまで含めて計画します。また、投入した費用を何件の問い合わせ・受注で回収できるかといった投資回収の見込みを試算し、無理のない予算配分を心がけましょう。予算が限られる場合は、優先度の高い要素に絞って費用を投下し、成果が出たら段階的に拡充する考え方も有効です。
制作後の運用と改善が重要な理由
ホームページは公開して終わりではなく、その後の運用と改善によって価値が高まります。特に初心者の方は完成時点で満足してしまいがちですが、公開後に何もしないサイトは次第に成果が頭打ちになるでしょう。その理由は主に二つあります。ユーザーや市場の変化に対応するため公開時に完璧と思えたサイトでも、時間の経過とともにユーザーのニーズや競合状況が変化します。定期的に情報を更新し、新しいコンテンツを追加していくことで、常にユーザーに選ばれるサイトであり続けられます。逆に放置すれば情報が古くなり、信頼を失う恐れもあります。データに基づく継続的な改善で成果を伸ばすためアクセス解析で得られたデータをもとにPDCAサイクルを回し続けることで、コンバージョン率は徐々に上げていくことができます。一度公開して終わりではその時点のパフォーマンスで止まってしまいますが、改善を積み重ねれば半年後・1年後には大きな差となって現れます。
また、Googleなど検索エンジンも定期的に更新されるサイトを評価する傾向があります。ブログ記事の追加などコンテンツSEOにも取り組み、ホームページを育てていく意識を持つことが重要です。以上の理由から、サイト制作後も社内外の体制を整え、継続的に運用・改善に取り組みましょう。
売れるホームページは「設計×運用×改善」の積み重ね
売れるホームページを実現するためのポイントを網羅してきましたが、最後に重要な点をまとめます。結局のところ、ホームページで確かな成果を出すには「設計」「運用」「改善」を地道に積み重ねることに尽きます。初期段階で入念にターゲット設定や導線設計を行い(設計)、公開後はコンテンツ更新や集客施策に継続して取り組み(運用)、得られたデータをもとにサイトをブラッシュアップしていく(改善)――このサイクルを回し続けることで、サイトのコンバージョン率は向上し、ビジネスの成果も着実に拡大していきます。一朝一夕で劇的な結果を生む魔法の方法はありません。しかし、本記事で述べた基本に忠実なアプローチを粘り強く実践していけば、必ずや「売れるホームページ」へと近づけるはずです。ぜひ自社サイトにもこれらの知見を取り入れ、成果につながるホームページ作りに取り組んでみてください。
※1…参考:LPのファーストビューは超重要!売上アップのポイントと参考事例 | QUERYY(クエリー)※2…参考:〖ライフスタイル〗スマホでのインターネット検索の頻度:「ほぼ毎日」が約7割(2024年5月9日)|レポート|NTTドコモ モバイル社会研究所
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