メディアサイトコラムECサイトの作り方は?知っておきたい基本を徹底解説!

ECサイトの作り方は?知っておきたい基本を徹底解説!

ECサイト、つまりインターネット上で商品を販売するWebサイトの構築は、現代のビジネスにおいて重要な戦略の1つです。実店舗を持たなくても全国、あるいは世界中の顧客に商品を届けられる可能性を秘めていて、販路拡大や顧客データの収集・分析によるマーケティング戦略の最適化など、多岐にわたるメリットが期待できます。

しかしながら「ECサイトを作りたいと考えているが、何から手をつければ良いのか分からない」「専門知識がないと難しいのではないか?」といった不安を抱えている方も少なくないのではないでしょうか。

この記事では、ECサイトの作り方に関する基本的な知識から、具体的な構築ステップ、そして成功に導くためのポイントまで、網羅的に解説していきます。ECサイトがもたらす多様なビジネス価値を理解し、あなたのビジネスをさらに飛躍させるための一歩を踏み出しましょう。

ECサイトの作り方を徹底比較!あなたに合う構築方法は?

ECサイトを立ち上げる方法には、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。そのため、自社のビジネスの規模、予算、技術的な知識、将来の展望などを総合的に考慮して、最適な構築方法を選ぶことが大切です。

ECサイトの主な作り方は、以下の5つです。

  • ECモールを利用して制作
  • ASPカート(クラウドEC)で制作
  • ECパッケージで制作
  • オープンソースCMSで制作
  • フルスクラッチ開発で制作

次項から、これらの各項目について詳しく解説していきます。

ECモールを利用して制作

ECモールへの出店は、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといった既存の大規模なオンラインショッピングモール内に自社の店舗を構える方法です。

最大のメリットは、モール自体が持つ高い集客力とブランドの信頼性を活用できる点でしょう。特にECサイト運営が初めての場合、自力で集客することが大きな課題となりますが、モールを利用するのであれば一定のアクセスが見込めます。

また、サイト構築や決済システムの導入といった初期設定も比較的容易で、専門知識があまりなくてもスピーディーに販売を開始できる点も魅力です。

一方で、毎月の出店料や売上に応じた手数料が発生するほか、デザインや機能のカスタマイズに制約があったり、独自のブランドイメージを前面に出しにくかったりするという側面もあります。

手軽にネット販売を始めたい個人事業主や、まずはテストマーケティングを行いたい企業にとっては、有効な選択肢の1つとなるでしょう。

ASPカート(クラウドEC)で制作

ASPカートやクラウドECと呼ばれる方法は、サービス提供事業者が用意したECサイト構築・運営システムを、インターネット経由でレンタルする形で利用するものです。例えば、Shopify、BASE、STORESなどが該当します。

初期費用を抑えやすく、月額数千円程度から利用できるプランがあるサービスもあり、中小企業や個人事業主にとって導入しやすい選択肢と言えるでしょう。専門的なプログラミング知識がなくても、用意されたデザインテンプレートや管理画面を通じて、比較的簡単にECサイトを立ち上げることが可能です。機能追加もアプリやプラグイン形式で提供されていることが多く、必要に応じて拡張できます。

一方で、デザインのカスタマイズ性には限界があり、完全にオリジナルのサイトを作りたい場合には不向きかもしれません。また、月額費用に加えて、売上に応じた手数料が発生するサービスもあるため、料金体系を事前にきちんと確認することが大切です。

ECパッケージで制作

ECパッケージとは、ECサイトの構築・運営に必要な機能(商品管理、顧客管理、受注管理、決済連携、販促機能など)があらかじめパッケージ化されたソフトウェアを指します。

ecbeingやebisumartなどが代表的なサービスとして知られています。

ECパッケージを利用する方法は、カスタマイズ性が高く、自社の業務フローに合わせた独自の機能追加や外部システム(基幹システム、CRMツールなど)との連携が柔軟に行える点が大きなメリットです。そのため、中規模から大規模のECサイト構築に適していると言えるでしょう。

セキュリティ面でも配慮をされているものが多く、大量のアクセスや取引にも対応できるため、ある程度の事業規模があり、本格的なEC展開を目指す企業にとっては有力な選択肢となります。

ただし、導入費用や月額のランニングコストはASPカートやオープンソースに比べて高額になる傾向があり、構築にも一定の期間と専門知識が必要となる点がデメリットです。

実店舗とECサイトの在庫情報を一元管理したいアパレル企業や、BtoB取引向けの複雑な見積もり機能が必要な卸売業者などで利用されています。

オープンソースCMSで制作

オープンソース(ソースコードが公開されているもの)のCMS(コンテンツ管理システム)を利用してECサイトを構築する方法もあります。例を挙げると、日本国内で人気の高いEC-CUBEや、世界的にシェアの高いMagento Open Sourceなどが該当します。また、EC機能を持つプラグインであるWooCommerceなどを活用すれば、WordPressでも構築可能です。

最大のメリットは、ほとんどの場合ソフトウェアのライセンス費用が無料である点と、ソースコードが公開されているため非常に高いカスタマイズ性を有している点です。デザインテンプレートや機能拡張プラグインも豊富に存在し、比較的自由に独自性の高いECサイトを構築できます。

しかし、導入やカスタマイズにはサーバーやプログラミングに関する専門知識が必要な場合がある点や、セキュリティ対策・バージョンアップといった保守・運用を自分で行う必要がある点がデメリットです。そのため、技術力のある人材が社内にいるか、信頼できる外部の開発パートナーを見つけることが前提となるでしょう。

コストを抑えつつも、自由度の高いECサイトを実現したい場合には魅力的な選択肢ですが、運用体制や技術的なハードルを十分に考慮した上で検討することが求められます。

フルスクラッチ開発で制作

フルスクラッチ開発とは、既存のプラットフォームやパッケージ、オープンソースソフトウェアなどを利用せず、完全にゼロからオーダーメイドでECサイトを設計・開発する手法です。

この方法の最大のメリットは、デザイン、機能、システム構成に至るまで、あらゆる面で制約なく、自社のビジネスモデルや独自の要件に100%合致したECサイトを構築できる点にあります。例えば、非常に特殊な販売方法を採用している場合や、既存のどのシステムにもない革新的なサービスを提供したい場合など、他にはない独自のECプラットフォームを実現したい企業にとっては、唯一無二の選択肢となるでしょう。

一方で、開発費用が他のどの方法よりも高くなりがちなことや、開発期間が長期にわたるケースが多いことがデメリットと言えます。また、プロジェクトを推進するためには、高度な技術力を持つ開発チームと、明確な要件定義、そして緻密なプロジェクト管理能力が不可欠となります。

他の方法ではECサイトに求めている機能を実現できない場合に検討すると良いでしょう。

ECサイトの作り方を8つのSTEPで解説

ここでは、ECサイトの作り方を8つのステップに分けて解説していきます。

  1. 企画・コンセプト設計
  2. 要件定義・サイト設計
  3. デザイン制作
  4. サーバー・ドメイン設定、決済システム導入
  5. システム構築・コーディング
  6. 商品登録・コンテンツ作成
  7. テスト・検証
  8. 公開・運用開始

Step 1: 企画・コンセプト設計

ECサイト制作の最初のステップは、企画とコンセプトを練り上げることです。

「何を、誰に、どのように売りたいのか」というECサイトの根幹となる部分を明確に定義します。ターゲット顧客のペルソナ(年齢、性別、職業、ライフスタイル、価値観など)を具体的に設定し、その顧客がどのようなニーズや課題を抱えているのかを深く掘り下げましょう。

次に、競合となるECサイトを徹底的に調査・分析します。競合の強みや弱み、価格設定、商品のラインナップ、デザイン、集客方法などを把握することで、自社ECサイトが取るべきポジションや差別化戦略が見えてきます。そして、自社の強みや独自性を活かした提供価値を明確にし「なぜ顧客は他のサイトではなく、あなたのECサイトで購入すべきなのか」という問いに答えられるようにしましょう。

最後に、ECサイトを通じて達成したい具体的な目標、すなわちKPI(重要業績評価指標)を設定します。例えば、月間売上目標、平均顧客単価、新規顧客獲得数、コンバージョン率(訪問者のうち購入に至った割合)などが挙げられます。目的があいまいなまま「とりあえずECサイトを作ろう」と進めてしまうと、方向性が定まらず、効果の出ないサイトになってしまう可能性があるので注意しましょう。

Step 2: 要件定義・サイト設計

企画・コンセプトが固まったら、次はその内容を具体的なECサイトの機能や構造に落とし込む「要件定義」と「サイト設計」のステップに移ります。

要件定義では、ECサイトに必要な機能を洗い出します。例えば、商品検索機能、カート機能、クレジットカード決済やコンビニ決済などの各種決済機能、会員登録・ログイン機能、マイページ機能、レビュー投稿機能、お問い合わせフォームなどが基本的な機能として考えられます。さらに、自社のビジネスモデルや取扱商品によっては、定期購入機能、ギフト対応機能、多言語対応、ポイントシステム、クーポン発行機能なども必要になるかもしれません。

次にサイト設計では、ユーザーが情報を探しやすく、スムーズに購入までたどり着けるような情報構造と画面遷移を設計します。ターゲットユーザーがどのような情報を求めてサイトを訪れ、どのような経路で購入に至るのかを想定し、直感的で分かりやすいナビゲーションを構築することがポイントです。デザインの方向性もこの段階で大まかに決定しておくと、後のデザイン制作がスムーズに進むでしょう。

この要件定義とサイト設計を綿密に行うことで、開発段階での手戻りを防ぎ、効率的なサイト構築を実現しやすくなります。

Step 3: デザイン制作

要件定義とサイト設計で固まった骨格に、具体的な肉付けをしていくのがデザイン制作のステップです。

ECサイトのデザインは、単に見た目が美しいだけでなく、ブランドイメージを的確に伝え、ユーザーの購買意欲を高め、かつ使いやすい(UI/UXに優れた)ものである必要があります。

トップページや、商品一覧ページ、商品詳細ページ、カートページ、会員登録ページなど、サイト内の主要なページのデザインを作成していきます。Webデザイナーは、ターゲット顧客の好みや行動パターンを考慮し、直感的に操作できるレイアウト、分かりやすい情報提示、魅力的な商品画像の見せ方などを工夫します。近年では、スマートフォンやタブレットなど、多様なデバイスからのアクセスが増えているため、どの画面サイズでも最適に表示されるレスポンシブデザインへの対応は必須と言えるでしょう。

Step 4: サーバー・ドメイン設定、決済システム導入

デザイン制作と並行して、またはその前後で、ECサイトをインターネット上に公開するための土台となるサーバーとドメインの準備、そして売上を上げるための根幹である決済システムの導入を進めます。

サーバーは、ECサイトのデータ(HTMLファイル、画像、データベースなど)を保管し、ユーザーからのアクセスに応じて情報を送信するコンピューターのことです。サイトの規模、予想されるアクセス数、表示速度、セキュリティ、サポート体制、そして費用などを総合的に比較検討して、最適な性能のサーバーを選定することがポイントです。

ドメインは、インターネット上の「住所」のことを指します。ユーザーがECサイトにアクセスする際にブラウザに入力するURL(例: https://www.example.com)の一部と覚えておくと良いでしょう。自社のブランド名や商品と関連性がある文字列や、覚えやすくタイプしやすい文字列を選ぶことがポイントです。

次に、決済システムの導入です。クレジットカード決済やコンビニ決済、銀行振込、代金引換、キャリア決済、PayPayやLINE Pay、後払い決済など、ターゲット顧客層が利用しやすい多様な決済手段を用意することで、購入機会の損失を防げます。

導入をする際は、手数料率、導入の初期費用や月額費用、セキュリティレベル、対応している決済ブランドの種類などを比較して選定しましょう。これらはECサイトの安定稼働と顧客の利便性に直結する要素のため、慎重な選択をしなければなりません。

Step 5: システム構築・コーディング

デザインが完成し、サーバーや決済システムの準備も整ったら、いよいよECサイトのシステムを実際に構築していく「システム構築・コーディング」のステップに入ります。

選定したECサイトの構築方法(ASPカート、ECパッケージ、オープンソースCMS、フルスクラッチ開発など)に応じて、具体的な作業内容は異なります。

ASPカートであれば設定やカスタマイズが中心となり、ECパッケージやオープンソースCMSであれば、より詳細な設定や場合によってはプログラミングによる機能追加が必要になることもあります。

フルスクラッチ開発の場合は、設計書に基づいてゼロからプログラマーがコードを書いてシステム全体を開発します。Webデザイナーが作成したデザインデータ(PhotoshopやIllustrator、Figmaなどのファイル)を元に、HTML、CSS、JavaScriptといった言語を用いて、Webページとして表示されるようにコーディングを行います。また、商品の検索機能やカート機能、データベースとの連携といったサーバーサイドの処理は、PHP、Ruby、Python、Javaといったプログラミング言語が用いられることが一般的です。

この際、ECサイトが検索エンジンに評価されやすいように、適切なHTMLタグの使用やサイトの表示速度の最適化など、SEO(検索エンジン最適化)を意識したコーディングを施すことも大切です。

Step 6: 商品登録・コンテンツ作成

ECサイトのシステムが形になってきたら、次に行うのは「商品登録」と「コンテンツ作成」です。

商品登録では、販売する商品の情報をECサイトの管理画面などから一つひとつ登録していきます。具体的には、商品名、商品の型番やSKU(最小管理単位)、販売価格、割引価格、商品説明文、商品の仕様(サイズ、色、素材など)、商品画像(複数枚用意するのが望ましい)、在庫数、関連商品といった情報を入力します。

商品の魅力が伝わる詳細な商品説明文と、高品質で様々な角度から撮影された商品画像は、顧客の購買意欲を大きく左右するため、非常に重要な要素です。商品説明文には、ターゲット顧客が検索しそうなキーワードを自然な形で盛り込むことで、SEO効果も期待できます。

コンテンツ作成では、商品情報以外にECサイトに掲載すべき情報を作成します。例えば、「会社概要」「特定商取引法に基づく表記」「プライバシーポリシー」「ご利用ガイド」「よくある質問(FAQ)」などは、顧客が安心して買い物をするために不可欠な情報です。

さらに、ブランドストーリーを伝えるページや、商品の使い方を紹介するブログ記事、お客様の声を掲載するページなども、顧客とのエンゲージメントを高め、信頼性を向上させるのに役立ちます。

Step 7: テスト・検証

ECサイトの構築と商品登録、コンテンツ作成が完了したら、公開前に必ず徹底的な「テスト・検証」を行います。このステップを怠ると、公開後にトラブルが発生し、顧客からの信頼を失うことにもつながりかねないので注意しましょう。

まず、表示テストとして、主要なWebブラウザ(Google Chrome、Safari、Firefox、Microsoft Edgeなど)や、パソコン、スマートフォン、タブレットといった異なるデバイスで、デザインが崩れていないか、文字化けしていないかなどを確認します。

次に、動作テストでは、商品検索からカート投入、会員登録、注文手続き、決済処理、問い合わせフォームの送信といった一連のユーザー操作が、設計通りに問題なく機能するかを検証します。リンクチェックツールなどを用いて、サイト内のリンク切れがないかも確認が必要です。

また、セキュリティテストを実施し、個人情報や決済情報が漏洩(ろうえい)するような脆弱性(ぜいじゃくせい)がないかを確認することも極めて重要です。可能であれば、実際のターゲットユーザーに近い人にサイトを使ってもらい、使いにくい点や分かりにくい点がないかといったユーザビリティテストを行うことで、客観的なフィードバックを得ることができます。

過去には、決済システムのテストが不十分なままECサイトを公開し、注文は入るものの決済が正常に完了しないエラーが頻発し、大きな機会損失と顧客からのクレーム対応に追われたという失敗事例もあります。こうした事態を避けるためにも、テストと検証を行いましょう。

Step 8: 公開・運用開始

全てのテストと検証をクリアし、問題がないことを確認できたら、いよいよECサイトをインターネット上に公開し、運用開始します。公開作業自体は、ドメインとサーバーの設定を切り替えるなど、技術的には比較的短時間で完了することが多いですが、公開した後がECサイトの本当のスタートです。

まず、公開直後に想定される初期対応(注文処理、顧客からの問い合わせ対応、発送業務など)をスムーズに行えるよう、社内体制を整えておく必要があります。また、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを導入し、サイトへの訪問者数、滞在時間、離脱率、コンバージョン率といったデータを収集・分析できる状態にしておきましょう。これらのデータは、今後のサイト改善やマーケティング施策の効果測定に不可欠です。

そして、ECサイトを公開しただけでは、なかなか顧客は訪れてくれません。SEO対策の継続的な実施、リスティング広告やSNS広告といったWeb広告の出稿、公式SNSアカウントでの情報発信など、計画していた集客施策を本格的に開始します。

ECサイトの運営では、商品の追加・更新、在庫管理、キャンペーンの企画・実施、ブログ記事の作成、顧客対応、システムのメンテナンスなど、さまざまな業務が継続的に発生します。誰が、何を、いつまでに行うのか、といった役割分担と業務フローを明確にしておくことが、円滑な運用を実現するためのポイントです。

ECサイトは運営しながら育てていくものと捉え、継続的な改善を続けていきましょう。

売れるECサイトを作るための7つのポイント

ECサイトをただ作るだけでなく「売れる」ECサイトにするためには、いくつかポイントがあります。技術的な側面はもちろんのこと、顧客心理を理解し、信頼関係を構築し、快適な購買体験を提供することが求められます。

ここでは、成果の出るECサイト構築に欠かせない7つのポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

1. 魅力的なデザインと使いやすさ(UI/UX)

ECサイトにおいて、デザインの魅力と使いやすさ(UI/UX)は、顧客の第一印象を決定づけ、購買行動に直結する非常に重要な要素です。

まず、サイトを訪れたユーザーが最初に目にするトップページや商品ページのデザインは、ブランドイメージを的確に表現し、ターゲット顧客の感性に響くものである必要があります。洗練された美しいデザインは、商品やブランドに対する信頼感を高め、期待感を醸成します。

ただし、見た目の美しさだけを重視してはいけません。ユーザーが目的の商品を簡単に見つけ出し、ストレスなく購入手続きを完了できる直感的なナビゲーションや分かりやすい情報設計をする必要があります。

また、商品を探す過程、情報を得る過程、購入する過程全体を通して、ユーザーが快適で満足度の高い体験を得られるように配慮されたUX(ユーザーエクスペリエンス)の設計も求められます。

近年ではスマートフォンからのアクセスが主流となっているため、モバイルフレンドリーなレスポンシブデザインは必須条件と言えるでしょう。顧客が心地よくショッピングを楽しめる環境を提供することが、売れるECサイトにするためのポイントです。

2. 信頼性を高めるコンテンツと情報掲載

オンラインでの購買行動では「信頼性」も重要です。顔の見えない相手から商品を購入することになるため、ECサイト運営者は、顧客が安心して取引できる情報を提供し、信頼感を醸成する努力が欠かせません。

まず、法律で定められている「特定商取引法に基づく表記」(事業者名、所在地、連絡先、販売価格、送料、返品条件など)や「プライバシーポリシー」(個人情報の取り扱い方針)は、必ず分かりやすい場所に明記する必要があります。これらがきちんと掲載されていることは、信頼できる運営者であることの最低条件と言えるでしょう。

さらに、事業者の顔が見える「会社概要」や「運営者情報」、ブランドの背景や想いを伝える「ブランドストーリー」なども、親近感や共感を呼び、信頼構築に貢献します。実際に商品を購入した顧客の声(レビューや口コミ)や、企業向けの商材であれば導入事例の紹介も、第三者からの評価として非常に説得力があります。

商品の詳細情報についても、単に商品の詳細を羅列するだけでなく、素材のこだわり、製造工程、具体的な使用シーン、お手入れ方法など、顧客が知りたいであろう情報をていねいに提供することで、商品の価値がより深く伝わり、購入への安心感が増します。

また、SSLサーバー証明書を導入し、サイト全体の通信を暗号化(常時SSL化)していることを明示することも、セキュリティ意識の高さを示し、顧客の不安を軽減するのに役立つでしょう。

3. 効果的な集客戦略(SEO・Web広告・SNS)

どれだけ素晴らしいECサイトを構築しても、そこに顧客が訪れなければ商品は売れません。そのため、効果的な集客戦略を立案し、実行していくことが不可欠です。

代表的な集客方法として、SEO(検索エンジン最適化)、Web広告、SNS活用が挙げられます。SEOは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、自社の商品や関連キーワードで検索された際に、自社サイトが上位に表示されるようにするための施策です。

具体的には、ターゲット顧客が検索するキーワードを調査し、それらのキーワードをサイト内のコンテンツ(商品ページ、ブログ記事など)に適切に盛り込む「コンテンツSEO」や、サイトの構造を検索エンジンに理解しやすく最適化する「テクニカルSEO」などがあります。

Web広告には、検索結果ページに表示されるリスティング広告、Webサイトやアプリの広告枠に表示されるディスプレイ広告、FacebookやInstagramなどのSNS上で配信するSNS広告など、さまざまな種類があります。これらはターゲットを細かく設定して配信できるため、費用対効果の高い集客が期待できます。

Instagram、X(旧Twitter)、Facebook、LINEなどを活用し、新商品の情報発信、キャンペーンの告知、顧客とのコミュニケーション、ブランドの世界観の共有などを行うことで、ファンを増やし、ECサイトへの誘導を図ります。最近では、影響力のあるインフルエンサーに商品を紹介してもらうインフルエンサーマーケティングや、ライブ配信で商品を販売するライブコマースなども注目されています。

自社の商品特性やターゲット顧客層に合わせて、これらの集客チャネルを複合的に組み合わせ、継続的に改善していくことがECサイトの集客のポイントです。

4. 豊富な決済手段の導入

ECサイトで顧客が購入をためらう要因の1つに「希望する決済手段がない」というケースがあります。

せっかく商品をカートに入れ、購入手続きに進んでも、利用したい決済方法がなければ、顧客は購入を諦めてしまう可能性があるので注意が必要です。

これは「カゴ落ち」と呼ばれる現象で、売上機会の大きな損失につながります。そのため、できる限り多くの顧客のニーズに応えられるよう、豊富な決済手段を導入することが重要です。

クレジットカード決済は、ECサイトにおいて最も基本的な決済方法と言えるでしょう。これに加えて、クレジットカードを持たない層や、オンラインでのカード利用に抵抗がある層にも対応するために、コンビニ決済、銀行振込、代金引換といった選択肢も用意しておくと効果的です。

さらに近年では、若年層を中心に利用が拡大しているキャリア決済(携帯電話料金と一緒に支払う仕組み)、楽天ペイやPayPayといったID決済なども人気が高まっています。

どの決済手段を導入するかは、自社のターゲット顧客層の年齢やライフスタイル、利用傾向などを考慮して優先順位を決めるのが良いでしょう。

決済代行サービスを利用すれば、複数の決済手段を一括で導入・管理できるため、手間を軽減できます。多様な支払いオプションを提供することで、顧客の利便性を高め、購入の最終段階での離脱を防ぐ効果に期待できるでしょう。

5. スムーズな発送と在庫管理

ECサイトにおける顧客体験は、Webサイト上での商品選びや購入手続きだけでなく、注文した商品が手元に届き、実際に使用するまでの一連のプロセス全体を含みます。特に、注文から商品が発送され、顧客の元へ届けられるまでの物流プロセスは、顧客満足度に大きな影響を与える要素です。

迅速かつていねいな梱包で、破損などなく確実に商品が届けられることは、顧客からの信頼を得る上で基本となります。発送後には、荷物の追跡番号を通知し、顧客が配送状況を確認できるようにすることも親切な対応と言えるでしょう。

また、ECサイト運営において非常に重要なのが在庫管理です。欠品を起こしてしまうと販売機会を損なうだけでなく、顧客をがっかりさせてしまいます。逆に、過剰な在庫は保管コストの増大や商品の劣化リスクにつながります。そのため、適切な在庫管理システムを導入し、販売状況に応じて正確な在庫数を把握し、適時適切な発注を行うことが求められます。

実店舗とECサイトで在庫を共有している場合は、リアルタイムでの在庫連携が不可欠です。また、配送オプションについても、顧客の利便性を高める工夫が考えられます。例えば、配達日時指定を可能にしたり、一定金額以上の購入で送料無料としたりするサービスは、多くの顧客に喜ばれます。

物流と在庫管理は、ECビジネスの根幹を支える重要な機能です。効率的で確実な体制を構築することが、ECサイトの安定した運営と顧客満足度向上につながるでしょう。

6. 万全なセキュリティ対策

ECサイトを運営する際は、セキュリティ対策にも積極的に取り組まなくてはなりません。

顧客は、氏名、住所、電話番号、メールアドレスといった個人情報や、クレジットカード番号といった非常に機密性の高い情報をECサイトに提供して商品を購入します。

これらの情報が漏洩(ろうえい)したり、不正に利用されたりするようなことがあれば、顧客に多大な損害を与えるだけでなく、社会的信用を失い、事業継続が困難になる可能性すらあります。そのため、考えられるあらゆる脅威から顧客情報を守るための万全なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。

まず、Webサイト全体の通信を暗号化するSSLサーバー証明書の導入(常時SSL化)は必須です。これにより、顧客が入力した情報が第三者に盗み見られるリスクを大幅に低減できます。

また、不正アクセスを防ぐためのファイアウォールの設置、不正侵入検知システム(IDS/IPS)の導入、サーバーやソフトウェアの脆弱性(ぜいじゃくせい)を悪用した攻撃への対策(定期的なセキュリティパッチの適用、最新バージョンへのアップデート)なども重要です。

特にクレジットカード情報を扱う場合は、国際的なセキュリティ基準であるPCI DSSに準拠した決済システムを利用するか、カード情報を自社サーバーで保持しないトークン決済などを採用すると良いでしょう。

また、プライバシーマークやISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得してアピールすることも、顧客からの信頼を高める手段として有効です。セキュリティインシデントは、一度発生すると取り返しのつかない事態を招いてしまうこともあるため、常に最新の情報を収集し、継続的に対策を強化していく姿勢が求められます。

7. 顧客対応(CRM)とアフターフォロー

ECサイトで売上を増やすには、商品を一度購入してもらうだけでなく、継続的に利用してくれる優良顧客(リピーター)を育成することが大切です。

LTV(Life Time Value:顧客が生涯にわたって支払う額)を最大化し、安定的な収益を確保することを目指しましょう。そのためには、購入後の顧客との関係性を大切にし、きめ細やかな対応とアフターフォローを行うCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)の視点が欠かせません。

まず、顧客からの問い合わせ(商品に関する質問、注文内容の変更、返品・交換依頼など)に対しては、迅速かつていねいに対応することが基本です。顧客対応の質は顧客満足度に直結し、その後のリピート購入にも影響を与えます。

CRMツールを導入すれば、顧客の購入履歴、問い合わせ履歴、属性情報などを一元的に管理・分析し、それぞれの顧客に合わせたパーソナルなコミュニケーションを実現できます。

例えば、購入履歴に基づいて関連商品をおすすめするメールを配信したり、誕生日の月に特別なクーポンをプレゼントしたりする施策は、顧客ロイヤルティを高めるのに効果的です。また、購入後のアンケートを実施して顧客の声(フィードバック)を収集し、商品やサービスの改善に活かすことも大切です。

定期的なメールマガジンの配信による新商品情報やお得なキャンペーンの告知、ブログやSNSを通じた役立つ情報の発信なども、顧客との接点を維持し、ブランドへの関心を高めるのに役立つでしょう。

ECサイトは「売って終わり」ではなく、そこから顧客との長いお付き合いが始まると考え、一人ひとりの顧客を大切にする姿勢を示すことが大切です。

ECサイトを構築する際の注意点

ECサイトを構築する際に注意すべき点は、主に以下の5つです。

  • ECサイト運営に必要な法律・規約を確認する
  • デザインや素材の権利関係を明確にする
  • ドメイン・サーバーを適切に選定する
  • 自作する場合のリスクを知っておく
  • ECサイト公開後の運用・保守と集客戦略まで考えておく

次項から、これらの各項目について詳しく解説していきます。

ECサイト運営に必要な法律・規約を確認する

ECサイトを運営するにあたっては、関連する様々な法律や規約を遵守することが絶対条件です。

まず、最も基本的な法律として「特定商取引法」があります。この法律では、ECサイト運営者に対して、事業者名、代表者名、所在地、電話番号、販売価格、送料、支払い方法、返品の可否とその条件などを、ECサイト上の分かりやすい場所に明記することを義務付けています。

次に「個人情報保護法」です。ECサイトでは顧客の氏名、住所、メールアドレス、購入履歴などの個人情報を取り扱うため、これらの情報を適切に管理し、漏洩(ろうえい)や不正利用を防ぐための体制を整備する必要があります。

また、商品の広告表示に関しては「景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)」が関わってきます。実際よりも著しく優良であると誤認させるような誇大広告(優良誤認表示)や、実際には安くないのに不当に安く見せかけるような価格表示(有利誤認表示)は禁止されています。

そのほか、医薬品や化粧品なら「薬機法(旧薬事法)」、酒類なら「酒類販売業法」、中古品なら「古物営業法」など、個別の業法が関わってくるケースもあるので注意しましょう。

これらの法律・規約の内容を正確に理解し、遵守することは、企業の信頼性を保ち、顧客に安心して利用してもらうための大前提です。不明な点があれば、専門家に相談することも検討しましょう。

デザインや素材の権利関係を明確にする

ECサイトを魅力的に見せるために使用するデザイン、画像、イラスト、フォント、文章などのコンテンツには、著作権や肖像権といった権利があります。これらの権利を侵害してしまうと、権利者から損害賠償を請求されたり、コンテンツの使用差し止めを求められたりする可能性があるため、細心の注意が必要です。

「フリー素材」として提供されている画像やイラストを利用する場合でも、利用規約を必ず確認し、商用利用が可能か、クレジット表記が必要かといった条件を遵守しなければなりません。

高品質な素材を求める場合は、有料のストックフォトサービスなどからライセンスを購入して使用するのが一般的です。その際も、ライセンスの範囲(利用期間、利用媒体など)をし確認しなければなりません。

ECサイトのデザイン自体を外部の制作会社やデザイナーに依頼して作成してもらう場合は、制作されたデザインの著作権がどちらに帰属するのかを契約書に明確に記載しておくことが重要です。一般的には、制作費用を支払うことで著作権がクライアント側に譲渡されるケースが多いですが、契約内容によっては利用範囲が制限されることもあります。

権利関係をあいまいにしたままECサイトを運営するとトラブルの原因になりうるため、使用する全ての素材について、権利関係をクリアにしておくことが大切です。

ドメイン・サーバーを適切に選定する

ECサイトを公開・運営するためには、ドメインとサーバーが不可欠です。

ドメインは、インターネット上におけるECサイトの「住所」であり、ユーザーがブラウザに入力するURL(例: https://www.example.com)の主要部分です。自社のブランド名や取り扱い商品と関連性があり、覚えやすく、タイプしやすい文字列を選ぶことがポイントです。また、.com や .co.jp といったトップレベルドメイン(TLD)の種類も、サイトの印象やSEOに若干の影響を与える可能性があるため考慮しましょう。

サーバーは、ECサイトのWebページのデータや商品情報、顧客情報などを保管し、ユーザーからのアクセスに応じてこれらの情報を提供するコンピューターのことです。サーバーの性能(処理速度、ディスク容量、メモリ容量など)は、ECサイトの表示速度に直結します。

表示速度が遅いとユーザーの離脱率が高まるだけでなく、SEO評価にも悪影響を与える可能性があります。そのため、予想されるアクセス数やサイトの規模に見合った性能を持つサーバーを選ぶことが大切です。

サーバーの種類は主に以下の4つに分類されます。

  • 複数のユーザーで1台のサーバーを共有する「共有サーバー」
  • 1台の物理サーバーを仮想的に分割して利用する「VPS(仮想専用サーバー)」
  • 1台の物理サーバーを独占的に利用できる「専用サーバー」
  • ネットワークを介して利用する「クラウドサーバー」

それぞれの特徴、費用、セキュリティレベル、サポート体制などを比較検討し、自社のニーズに最も適したサーバーを選定することがポイントです。

自作する場合のリスクを知っておく

近年、BASEやSTORESといった無料または低価格で利用できるASPカートサービスや、WixやJimdoのようなWebサイトビルダーが登場し、専門知識がない人でも簡単にECサイトを自作できるようになりました。初期費用を抑えたい、まずは小さく始めてみたいという方にとっては魅力的な選択肢ですが、デメリットも理解しておくことが大切です。

まず、テンプレートを利用してもプロのデザイナーが手がけたサイトと比較すると、どうしても素人らしさが出てしまったり、ブランドイメージを十分に表現できなかったりする可能性があります。

機能面でも、無料プランや低価格プランでは利用できる機能が制限されていることが多く、必要な機能を追加しようとすると、上位プランへの移行や有料オプションの追加が必要になることがあります。

自作をする際に特に注意したいのが、セキュリティ面です。個人情報を扱うECサイトにおいてセキュリティ対策は非常に重要ですが、自作する場合、どこまで対策が施されているのか、万が一のトラブル時にどのようなサポートが受けられるのかが不明確な場合があります。ECモールやASPカート、ECパッケージの規約などを確認して、セキュリティ対策がどうなっているかを明確にしておきましょう。

ECサイト公開後の運用・保守と集客戦略まで考えておく

ECサイトの構築はゴールではなく、あくまでスタートラインです。本当に重要なのは、サイトを公開した後に、いかにして継続的に運営・保守し、効果的な集客を行って売上を伸ばしていくかという点です。

この公開後のフェーズを具体的に想定せずにサイト制作を進めてしまうと「ECサイトはできたけど、誰が更新するの?」「どうやってお客さんを集めるの?」といった問題が発生し、せっかく作ったECサイトが十分に活用されないまま放置されてしまうという事態に陥りかねません。

ECサイトの日常的な運用業務には、新商品の登録や既存商品の情報更新、在庫数の管理、顧客からの注文処理、梱包・発送作業、問い合わせ対応など、多岐にわたるタスクが含まれます。これらの業務を誰が担当し、どのようなフローで行うのかを事前に明確にしておく必要があります。

また、サイトのシステムを常に最新の状態に保ち、セキュリティの脆弱性(ぜいじゃくせい)を修正するための保守作業も不可欠です。利用しているプラットフォームやソフトウェアのアップデート、セキュリティパッチの適用などを定期的に行う体制を整えておきましょう。

そして、最も重要なのが集客戦略です。SEO対策、リスティング広告やSNS広告などのWeb広告の運用、SNSでの情報発信、キャンペーンの企画・実施など、さまざまな手法を組み合わせて集客する必要があります。集客施策をする際は、アクセス解析ツールで効果を測定し、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action)を回しながら、常に改善を重ねていくことが大切です。

失敗事例として、初期投資として立派なECサイトを作ったものの、その後の運用・保守・集客にかける予算や人員を確保しておらず、結果として全く売れない「開店休業」状態になってしまったケースも少なくありません。

ECサイト構築の企画段階から、公開後の運用・保守体制と具体的な集客プランまでをセットで考え、必要なリソースを確保しておくことが、ECサイトを運営する際のポイントです。

まとめ

ECサイトの作り方について、その基本から具体的な構築ステップ、成功のためのポイント、そして注意点に至るまで、幅広く解説してきました。

ECモールやASPカートは手軽に始められる反面、自由度には限界があります。一方で、オープンソースやフルスクラッチ開発は高いカスタマイズ性が魅力ですが、専門的な知識やコストが必要です。構築ステップを丁寧に踏みながら、自社に最適な手法と運用体制を見極め、戦略的にECサイトを立ち上げましょう。

ECサイト構築は、単にオンライン上に商品を並べる場所を作るということではありません。ビジネスの目的を明確にし、ターゲット顧客を深く理解し、最適な構築方法を選び、魅力的なデザインと使いやすい機能、そして信頼できる情報を提供し、効果的な集客戦略を展開し、ていねいな顧客対応を心がける、という一連のプロセス全体が「ECサイトの作り方」と言えるでしょう。

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    「自社の強みを最大限に活かせるECサイトを作るには、やはりフルスクラッチしかないのだろうか……」そう考えながらも、開発費用が膨らまないか、納期が遅れないか、運用後に後悔しないかと、一歩を踏み出せずにいませんか?市販のSaaSやパッケージと何が違い、どれほど自由度が高いのか、そして本当に中小企業に見合う選択肢なのか──疑問は尽きません。本記事では、技術的な予備知識がなくても理解できるよう要点をかみ砕きつつ、フルスクラッチの最新トレンド、具体的な費用・期間の目安、成功と失敗を分けるポイントまで丁寧に解説します。自社に最適な構築方法と次に取るべきアクションが明確になるはずです。 フルスクラッチとは?他方式との違い まず、フルスクラッチとは既存のソフトウェアやフレームワークを使わず、ゼロからシステムを開発する方法を指します。ECサイト構築の場合も、市販のECパッケージやSaaS型サービスに頼らず、一からオリジナルの仕組みを作り上げることを意味します。要件定義から設計、プログラミングまですべて自社または委託先のエンジニアが行い、細部まで自由にカスタマイズできる点が特徴です。 一方、フルスクラッチ以外にもECサイトを構築する方法はいくつかあります。それぞれ初期費用や柔軟性に違いがあるため、比較してみましょう。 SaaS型(ASP 型)サービスを利用する 代表的なのは簡単にECサイトを構築できるShopifyやMakeShopなど、クラウド上で提供されるECプラットフォームを利用する方法です。初期費用を低く抑え短期間で開設できますが、カスタマイズ性は限定され、提供範囲外の機能追加には制約があります。 パッケージ型のECシステムを導入する EC-CUBEなど自社サーバーにインストールする方法や、Adobe Commerce(旧Magento)をカスタマイズして利用する方法です。ある程度自由に機能拡張できますが、フレームワークの制約やアップデート対応の手間が発生します。 フルスクラッチはこれら既存システムを使う方法に比べ、自由度が極めて高い反面、後述するようにコストや時間が大きくかかる点で際立ちます。では、まずフルスクラッチ開発の具体的なメリットから見ていきましょう。 フルスクラッチのメリット フルスクラッチには多大な労力が伴いますが、その分以下のようなメリットがあります。 カスタマイズの自由度が高い 既存サービスでは実現できない細かな要件まで実装できるのが最大のメリットです。商品検索や決済フロー、会員機能など、自社のビジネスモデルに合わせて一から設計できるため、業務にフィットしたシステムを構築できます。また、在庫管理システムや企業内の様々な部門が持つ情報を一元管理するERPといった社内システムと柔軟に連携させることも可能で、データ連携や業務プロセスの自動化も思いのままです。規格品ではない独自のアイデアを盛り込めるため、競合他社との差別化にもつながります。 運用中の改善や機能追加が柔軟にできる 自社でシステムを掌握していれば、サイト公開後の改善や機能追加もスピーディーに行えます。例えば、新たなマーケティング施策としてクーポン機能を追加したり、Webサイトの見た目やレイアウト、ボタンの位置などを変更してコンバージョン最適化を図るといったPDCAサイクルを短期間で回すことが可能です。SaaSのように提供元のアップデートを待つ必要がなく、自社のタイミングで自由に改修できる点は、ビジネス環境の変化に対する迅速な対応力につながります。 スケーラビリティとパフォーマンスを追求できる フルスクラッチなら、将来的なアクセス増加や大規模展開を見据えたアーキテクチャ設計が可能です。負荷分散構成や高速なデータベース設計、キャッシュの活用など、サイトのスケーラビリティ(拡張性)を高めるための工夫ができます。既成ソリューションでは難しい細かなパフォーマンスチューニングも実施でき、ページ表示速度の向上や大量トランザクション処理にも耐えうる基盤を構築できます。 システムを自社で完全にコントロールできる 自社開発であれば、ECシステムの内部構造を把握できるため「ブラックボックス」がありません。ソースコードやデータの所有権が自社にあることで、サービス提供元の事情に左右されず長期的に安定運用できます。また、セキュリティポリシーについても自社基準で実装可能です。外部サービスでは避けられない機能変更や提供終了のリスクがない点も、フルスクラッチならではの安心材料と言えます。 次にデメリットやリスクも見ておきましょう。 フルスクラッチのデメリットとリスク フルスクラッチにはコストやリソース面での負担も大きく、注意すべきデメリットが存在します。主なリスク要因を挙げます。 初期費用が高額になりやすい イチから開発するため、当然ながら開発費用は高額になりがちです。デザイン制作からシステム構築まで全てを一から行うため、小規模なサイトであっても数百万円規模、本格的なECサイトなら数千万円の予算を要するケースも珍しくありません。また、外部の開発会社に委託する場合は人件費やマージンも含まれるため、パッケージ導入や SaaS利用と比べて初期投資が大きく膨らみがちです。 開発に時間がかかる 要件定義から始まり設計・実装・テストといった工程を全て積み上げるため、リリースまでのリードタイムが長くなることも。規模にもよりますが、フルスクラッチ開発では数か月から1年以上の開発期間を見込む必要があります。その間に市場ニーズが変化したり、競合に先行されてしまうリスクもないとは言い切れません。早くオンラインストアを立ち上げたい場合には、この時間コストは大きなデメリットと言えるでしょう。 保守・運用コストがかかり続ける 構築後もシステムの保守やアップデート対応は自社で行う必要があります。例えば、新しい OSやミドルウェアへの対応、脆弱性対策のセキュリティアップデートなど、SaaSであれば自動で行われる作業も自前で対応しなければなりません。専門の人材や予算を継続的に確保する必要があり、運用開始後も毎月の保守費用や人件費がかかります。初期費用だけでなく、長期的なランニングコストも計画に入れておく必要があります。 システムがブラックボックス化するリスク イチから開発したシステムは、その構造やコードを熟知している人が限られがちです。もし担当エンジニアが退職してしまった場合、十分な引き継ぎがないとシステムの内部がブラックボックス化し、後から改修や障害対応が困難になる恐れがあります。また、ドキュメント整備を怠ると、時間の経過とともに「なぜこう作られているのか」が分からなくなり、機能追加時に不具合を招くリスクも高まります。属人化を避け、チームで知識共有しておく工夫が欠かせません。デメリットもあります。それでもフルスクラッチを検討するなら、特に気になるのが費用とスケジュールでしょう。次に、開発費用の目安とプロジェクト期間について解説します。 費用とスケジュール感 フルスクラッチ開発を行う場合、どれくらいの予算と時間を見積もるべきか気になるところです。ここでは大まかな費用感とスケジュール感について説明します。 費用 規模や要件によって大きく異なります。一般的な傾向として、小規模で基本機能のみのEC サイトでも、フルスクラッチであれば開発費用は数百万円は必要と考えられます。本格的な機能(例: 大量の商品管理、ポイント制度、複数言語対応など)を盛り込む場合、1,000万円を超える予算になることも珍しくありません。開発完了後も、自社サーバーのインフラ費用や保守の人件費など、運用コストが発生します。SaaSのような定額利用料はありませんが、代わりに技術者の確保や機能改善にかかる費用を見込む必要があります。 スケジュール 規模次第ですが、短くても数か月、長い場合はリリースまで1年程度を見込む必要があります。 このように、費用と期間の面でフルスクラッチは大きな投資となります。 開発プロセスの流れ フルスクラッチによるECサイト開発は、一般的なシステム開発のプロセスに沿って進められます。初心者の方にも分かるよう、ここで大まかな流れを確認しましょう。 要件定義フェーズ まず、サイトに必要な機能や仕様を洗い出します。現状の課題や目指すべき姿を社内で議論し、要件を文書化します。この際、RFP(提案依頼書)を作成しておくと後のベンダー選定がスムーズです。 設計フェーズ 要件に基づき、サイト全体の構成や画面レイアウトを設計します。データベースの構造を定め、各ページの機能やUIを具体化していきます。 実装フェーズ 設計書をもとに開発チームがプログラミングを行います。フロントエンド(画面側)とバックエンド(サーバー側)を実装し、各機能の動作を確認しながら進めます。プロジェクトマネージャーが進捗と品質を管理し、必要に応じて調整します。 テストフェーズ 開発完了後、全体を通してテストを行います。全機能が要件通り動作するか、バグやセキュリティ上の問題がないかを確認し、不具合が見つかれば修正します。必要に応じて負荷テストも実施し、発注側(自社)も最終確認を行います。 リリース(本番公開) テスト合格後、いよいよ本番環境へサイトを公開します。ドメイン設定や外部サービスとの接続など最終準備を済ませ、ユーザーが利用できる状態にします。公開直後は予期せぬ不具合が起こる可能性もあるため、開発チームが迅速に対処できるよう待機しておきます。 運用・保守 リリース後は運用フェーズに移行します。日々の受注処理や顧客対応を行いながら、必要に応じて機能改善や障害対応を実施します。セキュリティアップデートや追加機能の開発計画も継続して行います。こうした運用を見据え、事前に開発会社と保守契約を結んでおくと安心です。 技術スタックとアーキテクチャ動向 フルスクラッチ開発を進めるにあたっては、どのような技術を採用するかも重要です。技術スタック(使用するプログラミング言語やフレームワーク、データベースなど)は開発チームの得意分野やシステム要件によって様々ですが、ここでは一般的な例と最新動向を紹介します。 バックエンドに用いられる技術 バックエンドには主に以下の言語が用いられることが多いです。・PHP・Java・Python・JavaScript(Node.js)以下のフレームワークを使えば効率的に開発を進めることができるでしょう。・Laravel・Spring・Django フロントエンドに用いられる技術 フロントエンドにはアプリケーションなどを開発するために必要な機能が用意されたReactなどのJavaScriptフレームワークで動的なUIを構築し、バックエンドとはシステムとシステムをつなげるREST APIなどでデータ連携する構成が一般的です。最近は顧客とのタッチポイントであるフロントエンドと、サイトを構築するバックエンドを切り離して開発したECサイト「ヘッドレスコマース」も注目されています。フロントエンドはバックエンドの公開APIを経由して機能を利用するため、Webサイトとモバイルアプリで共通のサービスを活用でき、フロント側で自由な表現が可能になります。フルスクラッチなら、このような最新のアーキテクチャも柔軟に採用できます。 パブリッククラウド フルスクラッチ開発では、クラウドコンピューティング環境をインターネット経由で提供するパブリッククラウド(AWS、Google Cloud、Azureなど)の活用も一般的です。クラウド上にECサイトを構築することで、サーバーの自動スケーリングや高可用性を容易に実現できます。 コンテナ技術 軽量な仮想環境を利用して、アプリケーションの実行に必要な環境をパッケージ化し、開発、テスト、デプロイを効率化するプラットフォームであるDockerなどのコンテナ技術もよく使われる技術。また、ソフトウェア開発のプロセスを自動化・効率化するCI/CDパイプラインを導入すれば、開発からリリースまでの効率化も図れます。 マイクロサービスアーキテクチャ 大規模システムでは1つのアプリケーションを複数の小規模な独立したサービス(マイクロサービス)の集合体として構築する手法であるマイクロサービスアーキテクチャを採用し、各機能を独立してスケールさせるケースもあります。 フルスクラッチが向いている企業/向いていない企業 フルスクラッチ開発が適している状況と、そうでない状況には明確な違いがあります。自社がどちらに当てはまるか判断してみてください。 フルスクラッチが向いている企業・ケース 独自のビジネスモデルや特殊な機能要件があり、既存のサービスでは対応が難しい場合 EC サイトと基幹システム(在庫管理や CRM など)を高度に連携させる必要がある場合 将来的に大規模なアクセスや事業拡大を見込み、スケーラビリティを重視したシステムが必要な場合 EC サイトのユーザー体験やブランディングを重視し、細部まで独自のこだわりを反映させたい場合 フルスクラッチが向いていない企業・ケース 予算や人員が限られており、低コストでスピーディーに立ち上げたい場合 必要機能が標準的な範囲で、既存サービスで十分対応できる場合 社内にIT人材が少なく、開発プロジェクト管理やリリース後の保守に不安がある場合 EC サイト運営が初めてで、まずは小規模に試したい場合(この場合は低コストなサービスで検証する方が低リスク) 以上を踏まえ、自社がフルスクラッチに向いているか判断してみてください。 ベンダー選定と発注時の注意点 実際にフルスクラッチ開発を進める際には、パートナーとなる開発ベンダーの選定が極めて重要です。適切なベンダーを選び、契約時にポイントを押さえておくことでプロジェクト成功の確率が高まります。発注担当者が注意すべき点をまとめます。 要件を明確に伝える 依頼前に自社の要件をできる限り具体化しましょう。RFP(提案依頼書)を作成し、実現したい機能やサイト規模、予算、希望納期などを明示してベンダーに共有します。要件が曖昧だと見積り精度が下がり、納品後のミスマッチにつながります。 複数の提案を比較検討する 候補となる複数の開発会社から提案を取り寄せ、内容(費用、スケジュール、提案システム構成など)を比較検討しましょう。相見積もりにより適正価格も把握しやすくなります。 ベンダーの実績と得意分野を確認 候補ベンダーのECサイト開発実績を確認しましょう。自社の業界や規模に近いプロジェクト経験があるか、希望する技術スタックに対応できるかなどをチェックします。 開発後のサポート体制も重視する リリース後のサポート体制も確認が必要です。公開直後の不具合対応はもちろん、将来的な機能追加の相談やトラブル対応に応じてもらえるか契約範囲を確かめましょう。必要に応じて別途保守契約を結ぶことも検討してください。 契約内容の確認と知的財産の取り扱い 契約時には、納期・費用に加えてソースコードの権利帰属や納品物の範囲も明記してもらいましょう。自社でコードを改変できるか、第三者への開示可否なども定め、要件変更時の追加費用や納期調整についても合意しておくことが大切です。 フルスクラッチの必要性を適切に見極めよう フルスクラッチ開発は魅力的な自由度と独自性をもたらす一方で、大きな投資とリスクを伴う選択です。その自由度が自社のビジネス戦略に見合うかどうか、費用対効果の観点で慎重に見極めましょう。まずは自社のECサイトに求めるものは何か、予算や体制はどこまで用意できるかを社内で整理してみましょう。その上で、既存のパッケージやSaaSを利用する場合との比較検討を行い、費用対効果の観点からフルスクラッチが適しているか判断してみてください。もしフルスクラッチでの開発に踏み切る場合は、本記事で述べたようにRFP(提案依頼書)の作成から始め、信頼できる開発パートナーの選定に注力しましょう。経験豊富なベンダーと協力し、明確なビジョンと要件のもとプロジェクトを進めれば、たとえ中小企業でもオリジナリティあふれるECサイトを実現できるはずです。逆に、現時点で予算やリソースが不足している場合は、無理にフルスクラッチにこだわらず、まずは安価に始められるサービスでECサイト運営に着手するのも一策です。ビジネスが成長し、自社ならではのシステムが必要になったタイミングで改めてフルスクラッチを検討するという段階的なアプローチも有効でしょう。構築方法の正解は一つではありません。自社の現状と将来展望を踏まえ、最適な手段を選択してください。本記事がその検討の一助となれば幸いです。
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  • ECサイトのランニングコストはどれくらい?内訳や目安を解説!

    ECサイトを立ち上げようと考えている方の多くが「具体的にどんな費用がかかるの?」「月々どれくらい見込んでおけば良いのだろう?」といった疑問や不安を抱えているのではないでしょうか。 この記事では、ECサイト運営にかかるランニングコストの具体的な内訳から、構築方法別の目安、さらにはコストを賢く抑えるための実践的なポイントまで、網羅的に解説します。 それぞれの費用項目を理解し、自社の状況に合わせた適切な予算計画を立てることで、安心してECサイト運営をスタートし、ビジネスを成長軌道に乗せるための一歩を踏み出しましょう。 ECサイトのランニングコストの具体的な内訳 ECサイトの主なランニングコストは、以下の8つです。 必須コスト①:プラットフォーム利用料・サーバー代・ドメイン代 必須コスト②:決済手数料 必須コスト③:SSL証明書費用 変動コスト①:販売手数料・モール出店料 変動コスト②:集客・マーケティング費用 任意コスト①:保守・運用・更新費用 任意コスト②:機能追加・カスタマイズ費用 任意コスト③:ツール利用料(分析、顧客対応など) 次項から、これらの各項目について詳しく解説していきます。 必須コスト①:プラットフォーム利用料・サーバー代・ドメイン代 ShopifyやBASEのようなASPカートを利用する場合、月額のプラットフォーム利用料が発生します。これは、提供される機能やサポート体制によって料金プランが異なります。 また、EC-CUBEのようなオープンソースを利用してECサイトを構築する場合やフルスクラッチで1からECサイトを構築する場合は、サイトのデータを保管するサーバーのレンタル費用、または自社サーバーの維持管理費が必要になります。 さらに、お店の「住所」にあたるドメイン(例: example.com)の取得費用と、年単位での更新費用も忘れてはならないコストです。 必須コスト②:決済手数料 決済手数料は、お客様が利用するクレジットカード決済やコンビニ決済、後払い決済など、売上が発生する度にかかる費用です。 一般的に売上金額の数パーセントが徴収される仕組みになっています。決済代行会社や契約プランによって手数料率や導入時の初期費用、月額固定費の有無が異なるため、事前に確認をしましょう。 この手数料は売上に直結するコストであり、利益率にも影響を与えるため、慎重に検討する必要があります。 必須コスト③:SSL証明書費用 お客様が安心して個人情報やクレジットカード情報を入力できるよう、ECサイトのセキュリティを確保することは極めて重要です。そのために必須となるのが、SSL(Secure Sockets Layer)証明書の導入費用です。 SSL証明書は、Webサイトとユーザー間の通信を暗号化し、データの盗聴や改ざんを防ぐ役割を担います。この証明書には、無料で利用できるものから、より信頼性の高い企業認証型やEV認証型といった有料のものまで、さまざまな種類があります。 有料のSSL証明書は、年間数千円から数十万円程度が目安で、認証レベルやサポート内容によって価格が変動します。プラットフォームによっては利用料に含まれている場合もありますが、別途契約が必要なケースも少ないので事前に確認をしておきましょう。 顧客の信頼を得て、安全な取引環境を提供するためにも、適切なSSL証明書の導入と更新を検討しましょう。 変動コスト①:販売手数料・モール出店料 楽天市場やAmazonといった大手ECモールに出店する場合、プラットフォーム利用料とは別に、月額の出店料や、商品が売れるたびに発生する販売手数料がランニングコストとしてかかります。 これらの費用は、出店するモールや契約プラン、取り扱う商品のカテゴリによって料率が異なるのが一般的です。 自社の商材やターゲット顧客層、販売戦略などを踏まえ、どのモールが最適か、費用対効果が見合うかを慎重に比較検討することがポイントです。 変動コスト②:集客・マーケティング費用 ECサイトを立ち上げただけでは、なかなかお客様は訪れてくれません。そのため、サイトへのアクセスを増やし、商品を購入してもらうための集客・マーケティング費用もランニングコストの重要な要素です。 具体的には、SEO対策(検索エンジン最適化)、リスティング広告やディスプレイ広告などのWeb広告、SNS運用やインフルエンサーマーケティング、コンテンツマーケティング、メールマガジン配信などが挙げられます。 これらの費用は、実施する施策の内容や規模、期間によって大きく変動します。例えば、広告出稿は予算に応じて調整できますし、SEOやSNS運用は内製化すれば人件費のみで行えます。 重要なのは、目標とする成果(売上、認知度向上など)に対して、どの施策にどれくらいの予算を投じるか、費用対効果を見極めながら戦略的に取り組むことです。 任意コスト①:保守・運用・更新費用 ECサイトを安定稼働させ、常に最新の情報を保つためには、定期的な保守・運用・更新作業が欠かせません。 これらを自社で行う場合は人件費が主となりますが、専門知識が必要な作業やリソースが不足している場合は、外部の制作会社や専門業者に委託することも考えられます。その際に発生するのが保守・運用・更新費用です。 具体的には、サーバーのメンテナンス、ソフトウェアのアップデート、セキュリティパッチの適用、コンテンツの追加・修正、軽微なデザイン変更などが含まれます。契約内容によって月額固定制であったり、作業時間に応じた従量課金制であったりします。 特にセキュリティ関連のアップデートは迅速な対応が求められるため、信頼できるパートナーを見つけることが重要です。これらの費用を抑えたい場合は、更新が容易なCMSの導入や、社内で対応できる範囲を広げるための体制づくりを検討しましょう。 任意コスト②:機能追加・カスタマイズ費用 ECサイトを運営していく中で、ニーズの変化やビジネスの成長に合わせて、機能を追加したり、既存の機能を改善(カスタマイズ)したりする必要が出てくることがあります。 例えば、レビュー機能の強化、ポイントシステムの導入、特定の顧客層向けの割引機能、外部システムとの連携などが考えられます。これらの機能追加やカスタマイズには、当然ながら開発費用が発生します。 ASPカートを利用している場合は、提供されているアプリやオプション機能で対応できることもありますが、独自性の高い要望や大規模な改修となると、別途見積もりが必要になるケースが一般的です。オープンソースやフルスクラッチで構築したサイトであれば、比較的自由にカスタマイズできますが、その分、費用も高額になる傾向があります。 将来的な事業展開も見据え、どの程度の拡張性が必要か、初期構築の段階から考慮しておくことが求められます。 任意コスト③:ツール利用料(分析、顧客対応など) ECサイト運営の効率化や売上向上を目指すうえでは、さまざまな外部ツールを活用することが欠かせません。これらのツールの利用料も、ランニングコストの一部として考慮しておく必要があります。 Google Analyticsのような無料のアクセス解析ツール以外にも、より詳細な分析が可能な有料のヒートマップツールやABテストツールを導入する場合に費用がかかります。また、顧客対応を効率化するためのCRM(顧客関係管理)システム、MA(マーケティングオートメーション)ツール、チャットボットサービスなどを導入することもあるでしょう。 AIを活用した高度な分析ツールや、パーソナライズされた顧客体験を提供するツールも登場しており、これらを導入することで競合に対して優位性を築ける可能性もあります。ただし、多機能なツールほど高価になる傾向があるため、自社の課題解決や目標達成に本当に必要なツールかを見極め、費用対効果を慎重に検討することが大切です。 ECサイト構築方法別!ランニングコストの比較と目安 ECサイトのランニングコストは、構築方法によっても変わります。ASP、ECモール、ECパッケージ、オープンソース、フルスクラッチの場合にかかるランニングコストの目安を紹介しますので、参考にしてください。 ASP利用時のランニングコスト目安 ASP型のECプラットフォーム、例えばShopifyやBASE、STORESなどを利用する場合、ランニングコストは比較的抑えやすい傾向にあります。 月額利用料は無料プランから数万円程度が一般的で、これに加えて売上に応じた決済手数料や、一部有料の拡張機能(アプリ)の利用料がかかる場合があります。サーバー代やSSL証明書費用は月額利用料に含まれていることが多く、専門的な知識がなくても手軽に始められる点が魅力です。 ただし、デザインの自由度やカスタマイズ性には制限があるため、独自のブランドイメージを強く打ち出したい場合や、複雑な機能を実装したい場合には物足りなさを感じるかもしれません。小規模から中規模の事業者様や、初めてECサイトを運営する方にとっては、リスクを抑えつつスタートできる選択肢となるでしょう。 ECモール利用時のランニングコスト目安 楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングといったECモールに出店する場合、ランニングコストは基本的に月額の出店料と、売上金額に応じて発生する販売手数料、そして決済手数料から構成されます。 月額出店料は数千円から数万円程度、販売手数料は商品カテゴリやプランによって異なりますが、売上の2%から15%程度が目安です。これに加えて、広告出稿費やポイント原資負担などがかかる場合もあります。 モールの最大のメリットは集客力であり、自力で集客する手間やコストをある程度軽減できますが、一方で手数料負担が大きくなる可能性もあることに注意しましょう。 ECパッケージ利用時のランニングコスト目安 ECパッケージは、ECサイト構築に必要な基本機能があらかじめパッケージ化されたソフトウェアを利用する方法です。ランニングコストとしては、ソフトウェアのライセンス保守費用や、サーバー費用、SSL証明書費用、決済手数料などが主に挙げられます。 ASPに比べてカスタマイズの自由度が高く、独自の機能を追加しやすい点が特徴で、中規模から大規模なECサイトに適しています。月々のランニングコストは、サーバーのスペックや契約する保守内容、利用する決済代行サービスなどによって変動しますが、数万円から数十万円程度がひとつの目安となるでしょう。 また、初期費用としてソフトウェア購入費や構築費用が別途かかるため、ASPやモールと比較すると、ある程度の投資が必要になります。 オープンソース開発時のランニングコスト目安 EC-CUBEやMagentoといったオープンソースのECソフトウェアを利用する場合、基本的にソフトウェア自体のライセンス費用は無料です。しかし、ランニングコストとして、サーバーレンタル費用、ドメイン費用、SSL証明書費用、そして決済手数料などが発生します。 加えて、オープンソースは自由度が高い反面、セキュリティ対策やシステムのアップデート、バグ修正などを自社で行うか、専門業者に委託する必要があり、これに伴う保守費用も考慮しなければなりません。カスタマイズや機能追加を外部に依頼すれば、その都度開発費用がかかります。 月々のランニングコストは数万円から数十万円程度と幅広く、サイトの規模や保守体制によって大きく変動します。 オープンソースを活用しつつランニングコストを抑えるためには、専門的な知識を持つ人材が社内にいるか、信頼できる開発パートナーを見つけられるかが重要です。 フルスクラッチ開発時のランニングコスト目安 フルスクラッチ開発は、既存のプラットフォームやソフトウェアに頼らず、完全に1からオーダーメイドでECサイトを構築する方法です。ランニングコストとしては、高性能なサーバーの運用・保守費用、ドメイン費用、SSL証明書費用、決済手数料、そしてシステムの継続的なメンテナンスやセキュリティ対策にかかる費用が挙げられます。 これらの費用は、サイトの規模や複雑性、求められるセキュリティレベルによって大きく異なり、月々数十万円から数百万円以上かかるケースも珍しくありません。 最大のメリットは、あらゆる要望に対応できる究極の自由度と拡張性ですが、初期開発費用も高額になり、開発期間も長期化する傾向があります。ランニングコストも高水準になるため、独自のビジネスモデルで大規模な展開を計画しており、かつ十分な予算と専門知識を持つ企業向けの選択肢と言えるでしょう。 ECサイトのランニングコストを抑える5つのポイント ECサイトのランニングコストを抑えるためのポイントは、主に以下の5つです。 自社の規模と目的に最適なECプラットフォームを選ぶ 決済手数料の安い決済代行会社・プランを選ぶ 集客施策の費用対効果(ROIやROAS)を定期的に見直す 不要な機能や有料ツール・アプリを整理する 保守・運用を効率化する 自社の規模と目的に最適なECプラットフォームを選ぶ ECサイトのランニングコストを抑えるうえで大切なのは、自社の事業規模や目標、取り扱う商品、ターゲット顧客層に最適なECプラットフォームを選択することです。 例えば、立ち上げ当初で商品数が少なく、ECサイトも小規模にスタートしたい場合に、多機能で高額な月額費用がかかるプラットフォームを選ぶのはオーバースペックかもしれません。逆に、将来的に大幅な事業拡大や高度なカスタマイズを見込んでいるのに、拡張性の低い安価なプラットフォームを選ぶと、後々リニューアルや移行で本来不要だったはずのコストが発生する可能性もあります。 各プラットフォームの料金プラン、機能、拡張性、サポート体制などを比較検討し、事業の展望に合った選択をすることが、結果的にランニングコストの最適化につながるでしょう。 決済手数料の安い決済代行会社・プランを選ぶ ECサイトの売上から差し引かれる決済手数料も、ランニングコストを語るうえでは外せません。 わずか0.1%の違いでも、売上規模が大きくなれば年間で数十万円、数百万円の差になることもあり得ます。そのため、複数の決済代行会社の手数料率、初期費用、月額固定費、取り扱い可能な決済手段などを比較し、自社のビジネスモデルや想定される売上規模に最も適した会社・プランを選ぶことが重要です。 初期費用や月額固定費が無料でも手数料率が高めに設定されているプランもあれば、ある程度の固定費がかかるものの手数料率が低いプランもあります。事業開始当初は固定費を抑え、売上が伸びてきたらより手数料率の低いプランへ乗り換えるといった柔軟な対応も検討しましょう。 集客施策の費用対効果(ROIやROAS)を定期的に見直す ECサイトの売上を伸ばすためには集客が不可欠ですが、広告宣伝費はランニングコストの中でも大きな割合を占める要素です。 かけた費用に対してどれだけの効果が得られているかを定期的に測定し、分析することが大切です。具体的には、ROI(投資収益率)やROAS(広告費用対効果)といった指標を用いて、各集客施策(リスティング広告、SNS広告、SEO対策など)のパフォーマンスを評価しましょう。 効果の高い施策には予算を重点的に配分し、逆に効果の薄い施策は改善策を講じるか、場合によっては中止も検討する必要があります。これにより、無駄な広告費を削減し、限られた予算を最大限に活用して集客効果を高めることが可能になります。 常にデータに基づいた判断を心がけ、費用対効果の最大化を目指しましょう。 不要な機能や有料ツール・アプリを整理する ECサイト運営を続けていると、必要だと思って導入した機能やツールが、いつの間にか使われなくなっていたり、効果が得られていなかったりするケースがあります。これらは毎月の固定費としてランニングコストを上げてしまう要因となり得ます。 利用している機能やツールが本当に現在のビジネスに貢献しているか、費用に見合う価値を生み出しているかを、定期的に見直す習慣をつけましょう。 例えば、高機能な分析ツールを契約していても、一部の機能しか活用できていないのであれば、より安価なプランや代替ツールへの切り替えを検討する余地があります。使っていないアプリは解約するなど、定期的な見直しを行うことで、無駄な支出を削減できるでしょう。 保守・運用を効率化する ECサイトの保守・運用業務は、安定稼働のためには欠かせない作業です。これらの業務にかかる時間や人件費、外部委託費用もランニングコストの一部です。 商品の登録・更新、在庫管理、注文処理、問い合わせ対応などの定型的な業務は、可能な範囲で自動化ツールを導入したり、業務フローを標準化したりすることで効率化を図れます。 また、専門知識が必要なサーバーメンテナンスやセキュリティアップデートなどを外部に委託している場合でも、契約内容を定期的に見直しましょう。本当に必要なサービスだけ外注することで、コスト削減につながる可能性があります。 要注意!ランニングコストに関するよくある失敗と対策 ECサイトの運営で、ランニングコストに関するよくある失敗と対策をまとめましたので、参考にしてください。 失敗例1:初期費用ばかりに気を取られ、ランニングコストを軽視した 失敗例2:売上予測が甘かったため、固定費が重荷になった 失敗例3:セキュリティ対策費用を削減したため、情報漏洩(ろうえい)が発生 失敗例4:集客・マーケティングに費用をかけず、売上が伸びなかった 次項から、それぞれの失敗例について解説していきます。 失敗例1:初期費用ばかりに気を取られ、ランニングコストを軽視した ECサイトを立ち上げる際は、どうしても初期構築費用に目が行きがちです。しかし、月々発生するランニングコストの見積もりが甘いと、後々資金繰りに苦労するケースがあります。 「初期費用無料」といった言葉が魅力的に見えて契約したものの、月額利用料や決済手数料が高く、結果的に総コストが想定を大幅に超えてしまった、という話も少なくありません。 対策としては、ECサイト構築を検討する初期段階から、プラットフォーム利用料、サーバー代、決済手数料、その他固定費や変動費を含めたトータルのコストを計算することがポイントです。 特に、将来的な機能拡張や売上増加にともなうコスト変動も視野に入れ、長期的な視点で予算計画を立てることが、安定したECサイト運営への第一歩となるでしょう。 失敗例2:売上予測が甘かったため、固定費が重荷になった ECサイト運営において、売上予測を楽観的に見積もりすぎた結果、思うように売上が伸びず、月々の固定費の支払いが経営を圧迫してしまう、という失敗も散見されます。 特に、高機能なECプラットフォームや大規模なシステムを導入した場合、その固定費は決して小さくありません。 対策としては、まず市場調査や競合分析を徹底し、現実的かつ慎重な売上予測を立てることが欠かせません。そして、その予測に基づいた無理のないランニングコスト計画を策定しましょう。最初は必要最低限の機能でスモールスタートし、売上の成長に合わせて徐々に投資を拡大していくというアプローチも、リスクを抑えるうえで非常に有効な手段です。 失敗例3:セキュリティ対策費用を削減したため、情報漏洩が発生 ランニングコストを抑えたい一心で、SSL証明書の更新を怠ったり、セキュリティパッチの適用をおろそかにしたり、脆弱性(ぜいじゃくせい)診断の費用をケチったりすると、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。 万が一、顧客の個人情報やクレジットカード情報が漏洩(ろうえい)するような事故が発生すれば、金銭的な賠償責任はもちろんのこと、企業の信用は失墜し、事業継続そのものが困難になることも考えられます。 セキュリティ対策費用は「コスト」ではなく「必要不可欠な投資」と捉えることが肝心です。信頼性の高いSSL証明書の導入、定期的なセキュリティ診断の実施、ソフトウェアの迅速なアップデートなど、基本的な対策を怠らないようにしましょう。 お客様に安心して利用してもらえるECサイトであることが、長期的な成功につながります。 失敗例4:集客・マーケティングに費用をかけず、売上が伸びなかった 立派なECサイトを構築しても、その存在が知られなければ商品は売れません。「良いものを作れば自然と売れるはず」という考えで集客やマーケティング活動への投資を怠った結果、アクセス数が全く伸びず、売上も立たないまま閉店に追い込まれる、というケースは後を絶ちません。 ECサイトにとっての集客は、実店舗で言えば「お客様に来店してもらう」ための活動であり、生命線とも言えます。 対策としては、ECサイトの公開前から集客戦略を計画・実施することや、そのための適切な予算を確保しておくことが大切です。 SEO対策、Web広告、SNS活用、コンテンツマーケティングなど、自社の商材やターゲット顧客に合った施策を計画的に実行し、継続的に効果測定と改善を繰り返していく姿勢が大切です。また、集客施策を行った際は必ず効果を測定して、集客施策の改善や次回の施策提案に活用しましょう。 適切な方法でECサイトを構築してランニングコストを抑えましょう ECサイトの運営において、ランニングコストを正確に把握し、適切に管理することは、ビジネスを継続的に成長させるうえで非常に大切な要素です。 本記事で解説したように、ランニングコストにはプラットフォーム利用料、決済手数料、集客費用などさまざまな項目があり、選択するECサイトの構築方法によってもその内訳や金額は大きく変わってきます。 重要なのは、初期費用だけでなく、長期的な視点で総コストを考慮し、自社の事業規模や目的に最適な方法を選ぶことです。さらに、公開後も定期的な費用対効果の見直しや不要なコストの削減を心がけることで、より効率的にECサイトを運営できるでしょう。
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  • ECサイトリニューアル完全ガイド!売上UPを実現する進め方と費用相場

    ECサイトを運営している中で「いつリニューアルすべきか」「リニューアルは何から始めれば良いのか」「費用はどれくらいかかるのか」といった不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。 この記事では、ECサイトリニューアルを成功に導くための具体的なステップ、目的設定のポイント、プラットフォーム選定の注意点などを網羅的に解説しますので、ぜひ参考にしてください。 ECサイトのリニューアルをすべき5つのサイン いま運営しているECサイトがビジネスの成長を妨げているかどうかを見極めるための主なサインは、以下の5つです。 売上が伸び悩んでいる、または低下している デザインが古く、ブランドイメージと合わない ユーザーにとって使いにくいサイトになっている セキュリティへの不安がある 集客・マーケティング施策が頭打ちになっている 売上が伸び悩んでいる、または低下している ECサイトの売上が思うように伸びない、あるいは徐々に売上が低下している状況は、リニューアルを検討すべき最も分かりやすいサインの1つです。 市場の変化や競合の台頭、顧客ニーズの多様化など、様々な要因が考えられますが、サイト自体の魅力や機能が時代に合わなくなっている可能性もあります。例えば、特定の商品の売上が落ちている、新規顧客の獲得数が減っている、リピート率が低下しているといった具体的なデータに着目して分析してみましょう。 現状分析を通じて、売上が伸び悩んでいる原因を特定し、ECサイトのリニューアルで対策をして改善しましょう。 デザインが古く、ブランドイメージと合わない ECサイトのデザインは、訪れたユーザーに与える第一印象を大きく左右し、ブランドイメージを形成する上で非常に重要な要素です。 もし、サイトのデザインが時代に合わないものであったり、現在のブランドコンセプトやターゲット層とマッチしていなかったりする場合、ユーザーにネガティブな印象を与えかねません。 スマートフォンの表示に最適化されていない、画像が粗いなどがよく見られるケースです。ブランドの価値を的確に伝え、信頼感を醸成するためにも、時代に合う洗練されたデザインのECサイトへリニューアルを検討しましょう。 ユーザーにとって使いにくいサイトになっている ECサイトの使いやすさ、つまりユーザビリティは、顧客の購買行動に直結します。商品が探しにくい、購入までのステップが複雑、ページの表示速度が遅いといった問題は、ユーザーの離脱を引き起こし、売上機会の損失につながります。 例えば、ナビゲーションが分かりづらく目的の商品にたどり着けない、入力フォームのエラー表示が不親切で何度も修正を求められる、といった状況は典型的な使いにくいサイトの例です。 顧客視点でのUI/UX(ユーザーが操作する画面設計/ユーザーの購買体験)の改善が必要なケースと言えるでしょう。 セキュリティへの不安がある ECサイトでは顧客の個人情報やクレジットカード情報といった機密性の高いデータを取り扱うため、セキュリティ対策は万全でなければなりません。 古いシステムを使い続けていると、新たな脅威に対応できず、情報漏洩(ろうえい)や不正アクセスといったリスクが高まる可能性があります。例えば、SSL化されていない、プラットフォームのバージョンが古いまま放置されている、といった状況は危険です。 顧客に安心して買い物を楽しんでもらうため、そして企業の信頼を守るためにも、最新のセキュリティ基準を満たすサイトへのリニューアルが不可欠となるでしょう。 集客・マーケティング施策が頭打ちになっている SEO対策やSNS集客の効果が出ない、新しい販促キャンペーンを打ち出しにくいなど、集客やマーケティング施策が思うように展開できない場合も、リニューアルのサインです。 現在のサイト構造やシステムが、最新のマーケティング手法に対応しきれていない可能性があります。例えば、コンテンツマーケティングを展開したくてもブログ機能がなかったり、効果測定に必要なデータが取得しづらかったりするケースが考えられます。 ビジネスの成長を加速させるため、柔軟な施策展開が可能になる多機能なプラットフォームへの移行を視野に入れましょう。 ECサイトのリニューアルの目的を明確化が大切 ECサイトのリニューアルを成功させるためには、まず「何のためにリニューアルするのか」という目的を明確にすることが重要です。 目的があいまいなまま進めてしまうと、期待した効果が得られないばかりか、時間とコストを無駄にしてしまうことにもなりかねません。売上向上、ブランドイメージの刷新、業務効率化、顧客体験の向上、新規市場開拓など、具体的な目標を定めることで、ECサイトリニューアルの方向性が定まり、適切な施策を選択できるようになります。 ECサイトをリニューアルする際の目的には、以下のようなものが挙げられます。 売上・コンバージョン率(CVR)の向上 ブランドイメージの向上と再構築 業務効率化によるコスト削減 顧客体験(CX)の向上によるファン化促進 新規市場・顧客層へのアプローチ 売上・コンバージョン率(CVR)の向上 多くのECサイトリニューアルにおいて、売上およびコンバージョン率(CVR)の向上は最も重要な目的の1つとして掲げられます。 サイトのデザイン改善やUI/UXの最適化を通じて、ユーザーが商品をより見つけやすく、購入しやすい導線を設計することが主な目的です。 例えば、カゴ落ち対策として入力フォームを簡略化したり、レコメンド機能を強化して関連商品を提案したりする施策が考えられます。具体的な数値目標を設定して、ECサイトのリニューアル後の効果測定をしっかりと行うことで、継続的な改善につなげていくことが大切です。 ブランドイメージの向上と再構築 ECサイトは、企業の顔であり、ブランドの世界観を伝える重要なチャネルです。そのため、ブランドイメージの向上や再構築を目的としてECサイトのリニューアルを検討する企業も少なくありません。 時代に合わなくなったデザインを刷新したり、ターゲット顧客に響くメッセージを発信したりすることで、ブランドの魅力を高め、競合との差別化を図ります。例えば、商品写真だけでなく商品の魅力を伝える動画コンテンツを充実させ、ブランドストーリーを効果的に伝えるデザインを採用するなどのアプローチが考えられます。 業務効率化によるコスト削減 ECサイトの運営には、商品の登録・更新、在庫管理、受注処理、顧客対応など、さまざまな業務が発生します。古いシステムや手作業に頼った運用は、非効率的であり、人件費などのコストが多く必要になっている可能性があります。 ECサイトリニューアルによって、これらの業務を自動化したり、システム連携を強化したりすることで、大幅な業務効率化とコスト削減が期待できます。例えば、外部の在庫管理システムや顧客管理システム(CRM)との連携機能を実装することで、手作業によるミスを減らしつつ、運用にかかる人的コストを軽減できるでしょう。 顧客体験(CX)の向上によるファン化促進 現代の消費者は、単に商品を購入するだけでなく、購入プロセス全体を通じた快適な体験、すなわち顧客体験(CX)も求めています。そのため、ECサイトのリニューアルにおいて、パーソナライズされた情報提供、スムーズな購入フロー、迅速かつ丁寧なカスタマーサポートなどを通じて、CX向上を目指すことが重要です。 例えば、AIチャットボットを導入して24時間体制で簡単な問い合わせに対応したり、購入履歴に基づいたおすすめ商品を表示したりする施策が考えられます。良好なCXは顧客満足度を高め、リピーターやファンの育成につながるでしょう。 新規市場・顧客層へのアプローチ 既存の市場や顧客層だけでなく、新たな市場やターゲット顧客層へアプローチしたいというニーズも、ECサイトのリニューアルの動機となり得ます。 例えば、これまで国内向けに販売していた商品を海外市場へ展開するために多言語・多通貨対応のサイトに刷新したり、若年層をターゲットにしたデザインやコンテンツを取り入れたりするケースです。 ECサイトリニューアルを通じて、これまでリーチできなかった層への認知を拡大し、ビジネスの新たな成長機会を創出できるでしょう。 【完全ガイド】ECサイトリニューアルの進め方10ステップ ECサイトのリニューアルを10ステップで解説しますので、参考にしてください。 STEP1: 現状分析と課題特定 STEP2: 目的と目標の設定 STEP3: 要件定義 STEP4: プラットフォーム・カートシステムの選定 STEP5: デザイン制作とUI/UX設計 STEP6: 開発・実装・コーディング STEP7: 商品・顧客データの移行 STEP8: テストと最終確認 STEP9: 公開(リリース) STEP10: 公開後の効果測定と改善 次項から、各ステップについて詳しく解説していきます。 STEP1: 現状分析と課題特定 ECサイトリニューアルの第一歩は、現状のサイトが抱える課題を正確に把握することから始まります。 アクセス解析ツール(Google Analyticsなど)を用いて、アクセス数、離脱率、コンバージョン率といったデータを分析し、どこに問題があるのかを具体的に洗い出します。 また、ユーザーアンケートやヒアリングを通じて、顧客の生の声を集めることも効果的です。例えば、「商品検索が使いにくい」「決済方法が少ない」といった具体的な課題が見つかるかもしれません。 STEP2: 目的と目標の設定 現状分析で明らかになった課題を踏まえ、ECサイトリニューアルによって何を達成したいのか、具体的な目的と目標を設定しましょう。 例えば「売上を前年比で20%向上させる」「コンバージョン率を1.5倍にする」「特定のキーワードでの検索順位を3位以内にする」といった、できるだけ定量的で測定可能な目標を立てることがポイントです。目的が明確であれば、その後の要件定義やデザイン、機能選定の方向性が定めやすくなるだけでなく、関係者間での認識のズレを防ぐことにもつながります。 設定した目的は、効果測定の際にも利用します。 STEP3: 要件定義 設定した目的と目標を達成するために、新しいECサイトに必要な機能や仕様、デザインの方向性などを具体的に定義する工程が要件定義です。 現状の課題解決策に加え、将来的な事業展開も見据えた上で、どのような機能が必要か、どのような情報を掲載すべきか、どのようなデザインイメージにするかなどを詳細に決めていきます。 例えば、「クレジットカード決済だけでなく、後払い決済も導入する」「スマートフォンユーザー向けにレスポンシブデザインを採用する」といった具体的な要件をリストアップします。 STEP4: プラットフォーム・カートシステムの選定 次に、ECサイトを構築・運営するための基盤となるプラットフォームやカートシステムを選定します。 ASP、パッケージ、オープンソース、フルスクラッチなど、様々な選択肢があり、それぞれ特徴や費用、カスタマイズ性が異なります。自社の事業規模、予算、必要な機能、将来的な拡張性などを総合的に比較検討し、最適なシステムを選び出すことがポイントです。 例えば、小規模で手軽に始めたい場合はASP型、独自のデザインや機能を重視する場合はパッケージ型やオープンソース型、大規模で複雑な要件がある場合はフルスクラッチといった選択肢が考えられます。専門家の意見も参考にしながら、ECサイトのリニューアルのプラットフォームを選定しましょう。 STEP5: デザイン制作とUI/UX設計 要件定義に基づき、ECサイトの具体的なデザイン制作とUI/UX設計を進めます。 ブランドイメージを的確に表現し、ターゲットユーザーにとって魅力的で使いやすいインターフェースを目指します。ワイヤーフレーム(画面設計図)やプロトタイプを作成し、ユーザーの視点に立って情報設計や導線設計をていねいに行うことがポイントです。 例えば、商品の魅力が伝わる写真や動画の配置、直感的に操作できるナビゲーション、ストレスのない購入プロセスなどを考慮して配置を決めます。デザインを決める際は、見た目の美しさだけでなく、ユーザーの使いやすさと情報の伝えやすさを考慮することが大切です。 STEP6: 開発・実装・コーディング 次は、決定したデザインと要件定義に基づき、実際にECサイトを構築していく開発・実装・コーディングです。 ASPカートやECモールを利用する場合は、既に構築されているものをそのまま使うため、専門知識や専門的な作業はあまり必要ありません。 それ以外の場合は、プラットフォームやカートシステム上で、フロントエンド(ユーザーが見る画面)とバックエンド(システム内部)の開発をします。HTML、CSS、JavaScriptといった言語を用いてデザインをウェブページとして再現し、必要な機能をプログラムで実装していきます。 STEP7: 商品・顧客データの移行 次は、既存のECサイトから新しいサイトへ、商品情報や顧客情報、注文履歴などのデータを移行する作業です。 データの量や種類、移行元と移行先のシステムの仕様によって、作業の難易度や必要な時間が大きく変わります。手動での入力、CSVファイルなどを用いた一括インポート、専用ツールや専門業者への依頼など、適切な移行方法を選定することが重要です。 例えば、商品点数が多い場合は、手作業ではなくツールを利用した方が効率的かつミスを減らせるでしょう。移行漏れやデータの破損がないよう、慎重かつ計画的に進めることが求められます。 STEP8: テストと最終確認 開発・実装とデータ移行が完了したら、公開前に徹底的なテストと最終確認を行います。 デザインが正しく表示されるか、各機能が仕様通りに動作するか、購入プロセスに問題はないか、スマートフォンやタブレットなど異なるデバイスでの表示崩れがないかなど、多岐にわたる項目をチェックします。特に決済機能や個人情報入力フォームなど、セキュリティに関わる部分は念入りなテストが必須です。 複数の担当者でクロスチェックを行い、発見された不具合は速やかに修正しましょう。この段階でのていねいな検証が、ECサイトのリニューアル後のトラブルを減らします。 STEP9: 公開(リリース) 全てのテストと最終確認が完了し、問題がないことを確認できたら、いよいよ新しいECサイトの公開(リリース)です。 公開作業は、アクセスが比較的少ない時間帯(深夜や早朝など)に行うのが一般的です。DNSの切り替えやサーバー設定の変更など、技術的な作業が伴うため、専門知識を持つ担当者が慎重に進める必要があります。 公開直後は、予期せぬ不具合が発生する可能性もあるため、監視体制を整え、迅速に対応できるように準備しておくことが大切です。無事にECサイトリニューアルが公開できた後も、気を抜かずにサイトの安定稼働を見守ることが求められます。 STEP10: 公開後の効果測定と改善 ECサイトのリニューアルは、公開したら終わりではありません。むしろ、公開をしてからが本当のスタートと言えるでしょう。事前に設定した目標(売上、CVRなど)が達成できているか、アクセス解析ツールを用いて効果測定を行います。 ユーザーの行動データやアンケート結果などを分析し、新たな課題や改善点を発見したら、継続的にサイトを改善していくことが重要です。例えば、特定のページでの離脱率が高い場合は、その原因を分析し、デザインやコンテンツの修正を検討します。 公開後もPDCAサイクルを回し、ECサイトを常に最適な状態に保つ努力が、ECサイトの成長には不可欠と言えるでしょう。 自社に最適な選択は?ECプラットフォーム・カートシステム選定のポイント ECサイトのリニューアルに使用するプラットフォームやカートシステムを選ぶ際は、以下のポイントを意識すると良いでしょう。 構築方法の違いを理解する(ASP、パッケージ、オープンソース、フルスクラッチ) 事業規模・目的に合わせて選ぶ 機能・カスタマイズ性と拡張性を比較検討する 費用(初期費用、月額費用、手数料)とサポート体制を確認する 構築方法の違いを理解する(ASP、パッケージ、オープンソース、フルスクラッチ) ECサイトを構築するプラットフォームには、主にASP(アプリケーションサービスプロバイダ)、パッケージ、オープンソース、フルスクラッチの4つの方法があります。 ASPカートは、初期費用を抑えて手軽に始められる一方、カスタマイズ性は低い傾向にあります。 ECに必要な機能を集めて製品化したパッケージは、豊富な機能が魅力ですが、カスタマイズには限界があることがデメリットです。 オープンソースはシステム自体のコストが掛からないことや自由度が高いことがメリットです。一方で、ECサイトの構築や運用にはサイト構築の専門知識やセキュリティ対策の知識が求められます。 既製品を使わずに1から構築するフルスクラッチは、機能やデザインを自由に作れますが、開発費用と期間が大きくなってしまいがちなことがデメリットです。 それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社のECサイトリニューアルの状況に合った選択をすることが大切です。 事業規模・目的に合わせて選ぶ ECプラットフォームの選定において、自社の事業規模やリニューアルの目的を考慮することは非常に重要です。 例えば、これからEC事業を始める小規模な店舗であれば、低コストでスピーディーに導入できるASPカートが適しているかもしれません。一方、ある程度の売上規模があり、独自のブランディングや機能拡張を重視する中規模以上の企業であれば、カスタマイズ性の高いパッケージやオープンソースが選択肢に入ってきます。 将来的な事業拡大の計画も踏まえ、スケーラビリティ(拡張性)のあるシステムを選ぶ視点も大切です。 機能・カスタマイズ性と拡張性を比較検討する 各ECプラットフォームが提供する機能は多岐にわたります。 そのため、基本的な商品管理、受注管理、顧客管理機能に加え、マーケティング支援機能(クーポン発行、メルマガ配信など)、外部サービス連携(決済、物流、会計システムなど)の充実度をそれぞれ確認する必要があります。 また、デザインの自由度や独自機能の追加といったカスタマイズ性、将来的な商品数増加やアクセス増に対応できる拡張性も比較検討のポイントです。 自社が必要とする機能を洗い出し、過不足のないプラットフォームを選定することが、効率的なECサイト運営につながるでしょう。 費用(初期費用、月額費用、手数料)とサポート体制を確認する ECプラットフォームの利用には、初期費用、月額費用、そして売上に応じた販売手数料などがかかります。これらのコスト構造はプラットフォームによって大きく異なるため、総費用をしっかりと比較検討することが不可欠です。 安価に見えても、オプション機能の追加で高額になるケースや、手数料率が高い場合もあるため注意が必要です。 また、ECサイトリニューアルの導入時や運用中に問題が発生した際のサポート体制も確認しておきましょう。電話やメールでの問い合わせ対応、マニュアルの充実度、コミュニティの有無などが、安心して運用できるかの判断材料となります。 スムーズな移行のために!データ移行時の注意点 ECサイトのリニューアルにともなうデータ移行をする際の注意点は、おもに以下の4つです。 移行対象データの洗い出しと整理をする データ移行の方法を事前に確認する(手動、ツール利用、専門業者依頼) 移行スケジュールの策定と事前準備を徹底する テスト環境でリハーサルと検証を行う 移行対象データの洗い出しと整理をする ECサイトのリニューアルにともなうデータ移行では、まずどのデータを新しいサイトに引き継ぐ必要があるのかを正確に洗い出す作業が欠かせません。 商品情報(商品名、価格、画像、在庫数など)、顧客情報(氏名、住所、連絡先、購入履歴など)、注文履歴などが主な対象となりますが、これ以外にもポイント情報やレビューデータなども考慮に入れる必要があります。 移行するデータを特定したら、古い情報や重複しているデータがないか整理し、クレンジング(不要なデータ・欠損したデータの削除や修正)を行うことで、ECサイトリニューアル後もデータを正しく扱えます。 データ移行の方法を事前に確認する(手動、ツール利用、専門業者依頼) 洗い出しと整理が完了したデータを、実際にどのように新しいECサイトへ移行するか、その方法を事前に検討し決定しておくことも大切です。 データ量が少ない場合は手動での入力も考えられますが、時間と手間がかかり、入力ミスのリスクをともないます。そのため、CSVファイルなどを用いた一括インポート機能を利用したり、専用のデータ移行ツールを活用したりするのが一般的です。 また、データの構造が複雑な場合や、大量のデータを安全かつ確実に移行したい場合には、ECサイトリニューアルの専門業者に依頼することも有効な選択肢となるでしょう。 移行スケジュールの策定と事前準備を徹底する データ移行はECサイトリニューアルの工程の中でも特に慎重さが求められる作業であり、十分な時間を確保した上で計画的に進めることが重要です。 移行対象データの量や複雑さ、選択した移行方法などを考慮し、無理のない移行スケジュールを策定します。また、移行作業に必要なツールやアカウント情報、作業担当者の割り当てなど、事前準備を徹底することで、当日の作業をスムーズに進められます。 予期せぬトラブルが発生する可能性も考慮し、バッファ(余裕)を持たせたスケジュールにしておくと安心でしょう。 テスト環境でリハーサルと検証を行う 本番環境でのデータ移行作業に先立って、テスト環境を用意し、そこでリハーサルと検証を行うこともポイントです。 テスト環境で実際にデータ移行のプロセスを実行してみることで、手順の確認や潜在的な問題点の発見につながります。移行後のデータが正しく表示されるか、文字化けや欠損がないかなどを入念にチェックしましょう。 このリハーサルと検証を行うことで、ECサイトリニューアルの本番移行時のリスクを最小限に抑え、移行作業の成功確率を高められるでしょう。 ECサイトリニューアルを成功させ、ビジネスを次のステージへ進めましょう ECサイトのリニューアルは、単に見た目を新しくするだけではありません。ビジネスの課題を解決し、新たな成長の機会をつかむための戦略的な投資です。 この記事で解説してきたように、明確な目的設定から始まり、現状分析、計画的なステップ、そして公開後の改善に至るまで、各工程をていねいに進めることがECサイトのリニューアルの成功につながります。 変化の激しい市場において、顧客ニーズに応え続け、競争優位性を確立するためには、ECサイトもまた進化し続ける必要があります。リニューアル後も効果を測定し、継続的な改善を続けていきましょう。
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  • ECサイトの立ち上げに必要な知識とは?基本から成功のポイントまで解説!

    ネットショッピングの需要が拡大する中、自社でECサイトを立ち上げたいと考える人は年々増えています。 しかし「何から始めればいいのか分からない」「どの構築方法を選ぶべきか迷ってしまう」といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。ECサイトの立ち上げには、基本的な知識と準備が欠かせません。 本記事では、初心者が押さえるべき基礎から、立ち上げ方法の比較、費用・期間の目安、そして成功のためのポイントまでをわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。 ECサイトの立ち上げ前に押さえておくべき基本 ECサイトの立ち上げを成功させるには、事前の準備と基本知識の習得が不可欠です。 押さえておくべき基本を、以下の3つのポイントに分けて解説します。 ECサイトとは?今さら聞けない基礎知識 ECサイト立ち上げのメリットとデメリット ECサイト立ち上げで失敗しないための注意点 ECサイトとは?今さら聞けない基礎知識 ECサイトとは、ネット上で商品やサービスを売買できるWebサイト全般を指します。 実店舗ではないため、地理的制約がなく幅広い顧客層へアプローチできる点が特徴です。主な機能として、商品カタログ、ショッピングカート、決済、顧客・注文管理などがあります。 ECサイト運営は単なる商品販売に留まらず、ブランド発信や顧客とのコミュニケーションの場としても機能し、ビジネスの可能性を広げる手段となります。 ECサイト立ち上げのメリットとデメリット ECサイトを立ち上げるメリットは、地理的制約なく全国・全世界の顧客にアプローチでき、24時間365日販売機会がある点です。また、顧客データ収集・分析が容易でマーケティング戦略に活かせること、実店舗より運営コストを抑えやすい点もメリットと言えるでしょう。 デメリットは、集客が簡単ではない点です。ECサイトで販売するには、SEO対策や広告出稿といった継続的努力が求められます。また、競合との価格競争に巻き込まれやすい側面や、サイト構築・維持管理、セキュリティ対策にもコストと手間がかかることを理解することが大切です。 ECサイト立ち上げで失敗しないための注意点 ECサイトの立ち上げで失敗しないためには、いくつか注意すべき点があります。よくある失敗要因は「目的のあいまいさ」です。具体的な目的設定がされていないと、ECサイト設計や集客施策が正しく行われず、効果が出にくくなります。 「ターゲット顧客の不明確さ」も失敗につながる可能性があります。ペルソナ設定などで具体的な顧客像を描きましょう。 また、初期投資を抑えたいという理由から、デザインや機能性を軽視するケースもよくありますが、使い勝手の悪いサイトは顧客の離脱につながるので注意しましょう。 さらに立ち上げ後の集客戦略や運用体制を事前に計画していないと、開店休業状態に陥る危険性があるので注意が必要です。 ECサイト立ち上げの方法を徹底比較!あなたに合うのはどれ? ECサイトを立ち上げると決めたら、次に「どのような方法でサイトを構築するか」という問題に直面します。 立ち上げ方法には、手軽なサービスから大規模ECサイト向けのカスタマイズ機能が豊富なものまで多様な構築方法があり、それぞれ特徴、費用、制作期間が異なります。自社の事業規模、予算、技術力、将来展望などを総合的に考慮し、最適な方法を選択することが成功への第一歩です。 ここでは、主要なECサイト構築方法を比較し、特徴や選び方のポイントを解説します。費用相場や立ち上げ期間の目安にも触れますので、最適な選択をするための参考にしてください。 【種類別】ECサイト構築方法の特徴と選び方 ECサイト構築方法を種類別に分けると、主に以下の5種類です。 ASPカート(Shopify、BASE、STORESなど) オープンソースCMS(EC-CUBE、Magentoなど) パッケージ(ecbeing、コマース21など) フルスクラッチ開発 モール出店(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなど) ASPカート(Shopify、BASE、STORESなど) ASPカートは、ネット経由でECシステムを利用できるサービスです。 Shopify、BASE、STORESなどが代表的で、専門知識がなくても比較的簡単にオンラインストアを開設できます。豊富なデザインテンプレートがあり、初期費用を抑えつつ短期間での立ち上げが可能です。費用の面では、月額利用料や販売手数料が発生するケースが一般的です。 ただし、デザインや機能のカスタマイズには制約がある場合も多く、独自のこだわりを強く反映させたい場合には物足りなさを感じるかもしれません。 サーバー管理やセキュリティ対策はサービス提供側が行うため、運営負担を軽減できるのもメリットと言えるでしょう。 手軽にECサイトを始めたい個人事業主や小規模事業者、初めてネットショップに挑戦する企業にとって、有効な選択肢となるでしょう。 オープンソースCMS(EC-CUBE、Magentoなど) オープンソースCMSは、ソースコードが公開されているソフトウェアを活用する方法です。国内で人気があるEC-CUBEや海外で広く利用されるMagentoなどがあります。ほとんどの場合、無償で提供されています。 最大のメリットはライセンス費用がかからず、自由にカスタマイズできる点です。また、デザイン変更や独自機能追加も可能で、自社ビジネスモデルに合わせた柔軟なサイト構築が実現できます。豊富なプラグインを活用すれば開発コストを抑えつつ機能拡張も可能です。 一方で、導入やカスタマイズには専門知識が求められる点がデメリットです。サーバー準備やセキュリティ対策も自社で行う必要があり、運用には相応の技術力とリソースが必要になります。 技術力のある企業や、特定の機能にこだわりたい中規模以上の事業者におすすめです。 パッケージ(ecbeing、コマース21など) ECサイト構築パッケージは、EC運営に必要な機能がパッケージ化されたソフトウェア製品です。ecbeingやコマース21などが該当し、特に中規模~大規模ECサイト構築に適しています。 豊富な標準機能に加え、ある程度のカスタマイズにも対応できる柔軟性が特徴です。セキュリティレベルが高い場合も多く安定した運用が期待でき、導入後のサポート体制も充実している場合が多い点も安心材料と言えるでしょう。 ただし、導入費用はASPカートやオープンソースよりも高額になる傾向があります。機能追加に制限があったり、カスタマイズ費用が別途発生したりすることもあるため、機能やカスタマイズ性を事前に確認しておくことが大切です。 フルスクラッチ開発 フルスクラッチ開発は、既存プラットフォームに頼らずゼロからオリジナルのECサイトを構築する方法です。 最大の魅力は、デザイン、機能、システム構成全てにおいて一切の制約なく自社の要望を反映できる点です。独自のビジネスモデルや複雑な業務フローを持つ企業、既存ソリューションでは実現不可能な高度な機能を求める場合に最適です。そのため、競合他社との明確な差別化ができます。 一方で、自由度の高さと引き換えに、開発費用が他の方法より高額になりやすく、開発期間も長期にわたる傾向があります。また、高度な専門知識と経験を持つ開発チームが不可欠で、プロジェクト管理も難しくなりがちです。 潤沢な予算と時間、明確なビジョンを持つ企業にとっては、自社の要望を思い通りに実現する手段となるでしょう。 モール出店(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなど) モール出店とは、楽天市場、Amazonなどの大手ECモール内に自社店舗を構える形態です。 これらのモールは既に多くの集客力を持つため、ECサイト立ち上げ初期の課題である「集客」のハードルを下げられることが大きな特徴です。特にブランド認知度が低い事業者にとっては、モールの信頼性を借りて販売をスタートできる点は大きなメリットと言えるでしょう。 出店プランによっては初期費用を抑えて手軽に始められることや、運営ノウハウやサポートが提供されていることもメリットです。一方で、出店料や売上に応じた手数料が発生するため、利益率が圧迫される可能性を考慮しなければなりません。 モール内のデザインや規約に縛られ独自性を出しにくく、ブランディングの観点では制約を感じるかもしれません。 費用で比較!ECサイト立ち上げの料金相場 ECサイトの立ち上げ費用は、構築方法や機能、デザインで大きく変動します。 手軽なASPカートの場合、初期費用無料~数万円、月額費用も無料~数万円が一般的です。無料プランは機能制限や販売手数料が高めな点に注意が必要です。 モール出店は初期費用無料~数十万円、月額出店料と販売手数料が発生します。 オープンソースCMSはソフトウェア自体無料ですが、サーバー費、ドメイン取得費、外注の場合はその費用が発生し、数十万円~数百万円が目安です。 パッケージ製品は初期費用数百万円~数千万円、月額保守・ライセンス費がかかるケースが多いです。 フルスクラッチ開発は、大規模なものだと数百万円~数千万円単位になることもあります。 これらに加え、決済時にかかる決済手数料や広告費用も考慮が必要です。 期間で比較!ECサイト立ち上げにかかる日数の目安 ECサイト立ち上げ期間も構築方法や規模で大きく異なります。 比較的素早く立ち上げられるのはASPカートを使う方法で、数日~1週間程度で開店も可能です。デザインや商品登録数が多い場合は1週間~1ヶ月程度を見ておきましょう。モール出店も比較的短期間で、審査や手続きに数日~数週間、商品登録を含めて1ヶ月程度でオープンできるケースが一般的です。 オープンソースCMSはカスタマイズ度合いによりますが、1~3ヶ月程度。パッケージ製品は2ヶ月~半年程かかることもあります。 フルスクラッチ開発は最も時間を要し、半年~1年以上、大規模プロジェクトでは年単位になることも考えられます。 これらは目安であり、機能の多さや複雑さ、素材の準備状況や連携システムの有無で変動することを理解しておきましょう。 売れるECサイトを目指すためのポイント 成果が出るECサイトを作るために押さえておくべきポイントは、主に以下の4つです。 【企画・要件定義編】成功の土台を作る ECサイト構築の成否を分ける最初のステップが、企画・要件定義です。 まず「何のためにECサイトを立ち上げるのか」という目的を明確にします。売上目標、新規顧客獲得、既存顧客満足度向上など具体的なゴールを設定しましょう。 次に「誰に商品を届けたいのか」というターゲット顧客を明確化します。想定するターゲットを細かく絞り込んだペルソナを設定し、具体的な顧客像を描くことで、デザインやコンテンツ戦略の方向性が定まります。 競合サイト分析も欠かせません。人気のECサイトの強み弱みを把握することで、自社の差別化ポイントを見つけるヒントが得られます。 これらの情報を基に必要な機能やサイト構成、デザインの方向性といった要件を具体的に落とし込みます。 【デザイン編】顧客を惹きつけ購入につなげるデザインをする ECサイトのデザインを考える際は、見た目の美しさだけでなく、スムーズな購買体験ができるように設計することも意識しなければなりません。 ターゲット層の好みやブランドイメージに合致したデザインコンセプトを考えましょう。色使い、フォント、写真のテイストなど細部に一貫性を持たせ、ブランドの世界観を効果的に伝えることがポイントです。 また、ユーザビリティも極めて重要です。直感的なナビゲーション、分かりやすい商品カテゴリー、迅速な検索機能など、顧客がストレスなく回遊できる設計を心がけましょう。特にスマートフォンでの閲覧を考慮したモバイルフレンドリーなデザインは必須です。 商品の魅力が最大限に伝わるように、写真や動画の質にもこだわり、顧客の購買意欲を高める工夫を凝らすことが、購入への最後のひと押しとなるでしょう。 【システム構築編】スムーズな購買体験を意識して構築する ECサイトのシステム構築でも、顧客がストレスなく購入できる購買体験を意識して構築しましょう。 特にサイト表示速度は顧客満足度に直結するため、できる限り配慮しましょう。また、分かりやすいカテゴリー分類や高性能なサイト内検索機能の実装も不可欠です。 購入プロセスでは、直感的で分かりやすいカートシステムがポイントです。購入完了までのステップを簡略化し、入力項目を最小限に抑えることでカゴ落ちリスクを減らせます。さらに、多様な決済方法への対応も顧客の利便性を高めます。 個人情報や決済情報を安全に取り扱うためのセキュリティ対策も、顧客からの信頼を得る上で絶対に欠かせません。 【コンテンツ編】集客と購買意欲を高める工夫をする ECサイトのコンテンツは、集客力を高め、顧客の購買意欲を刺激する強力な武器です。 高品質な写真や動画は必須で、商品を手に取って見ているかのような情報が提供できるように心がけましょう。商品説明文も、スペックだけでなくベネフィット(ユーザーが受けられる利益・恩恵)やストーリーを盛り込み、顧客の共感を呼び購買意欲を高めることがポイントです。 顧客レビューや口コミも重要なコンテンツです。実際の使用者の声は信頼性が高く、購入の後押しとなります。そのため、レビュー投稿を促す仕組み作りも検討しましょう。 ブログ記事などで関連情報や専門知識を発信することもSEO対策やサイトの専門性向上につながります。成果が出るECサイトにするには、ターゲット顧客が求める情報を提供し、継続的にコンテンツを充実させることが大切です。 ECサイト立ち上げ後の運用と集客戦略 ​​ ECサイトは立ち上げて終わりではありません。継続的に顧客を呼び込み、リピーターを育成する運用と集客戦略が、ECサイトを成功させるためには重要です。 どれだけ素晴らしいサイトを作っても、お客様が訪れなければ意味がありませんし、一度購入してくれたお客様に再利用してもらえなければ安定した収益は見込めません。この項目では、ECサイトへのアクセスを増やす具体的な集客方法と、顧客との長期的な関係を築き、LTV(顧客生涯価値)を高めるためのリピーター育成戦略について、解説していきます。 【集客編】ECサイトへのアクセスを増やす方法 ECサイトへのアクセスを増やす代表的な方法の1つめはSEO対策です。 ターゲットとなる顧客が検索しそうなキーワードで上位表示されるように、サイト内部構造を整え、質の高いコンテンツを充実させます。 次に検索結果に表示させるリスティング広告やインターネット上のさまざまなWebサイトの中に広告を出すディスプレイ広告といったWeb広告も即効性のある集客手段です。 また、Instagram、X(旧Twitter)などのSNS活用も有効です。商品情報発信だけでなく、ユーザーとのコミュニケーションでファンを増やしECサイトへ誘導します。 そのほか、アフィリエイト広告やメールマガジンも効果的です。これらを組み合わせ、自社商材やターゲット顧客に合わせて最適化していくことがポイントです。 【リピーター育成編】LTV(顧客生涯価値)を高める ECサイトの安定的な成長には、新規顧客の獲得だけでなく、一度購入した顧客に繰り返し利用してもらいLTV(顧客生涯価値)を高めることが極めて重要です。 よくあるリピーター育成施策として、まずポイントプログラムや会員ランク制度の導入が挙げられます。購入金額に応じたポイント付与やランクアップ特典で顧客の囲い込みと再購入を促しましょう。 パーソナライズされた情報発信をすることも効果的です。購入履歴や閲覧履歴に基づき、顧客の興味に合わせたおすすめ商品や限定クーポンを配信し、特別感を演出し再訪意欲を高めましょう。購入後のフォローアップも大切です。 きめ細やかなコミュニケーションで顧客満足度を高め、良好な関係を築くことが長期的なファン化につながるでしょう。 ECサイト立ち上げに関するよくある質問と回答 ECサイト立ち上げを検討する中で、さまざまな疑問や不安に直面する方も少なくないでしょう。 ここでは多くの方が抱きやすい質問とその回答をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。これらの疑問点を事前にクリアにすることで、安心してECサイトの立ち上げプロジェクトを進められるでしょう。 プログラミング知識がなくてもECサイトは作れる? プログラミング知識がなくてもECサイト立ち上げは十分に可能です。Shopify、BASEといったASPカートサービスを利用すれば、テンプレートや機能を使って直感操作でネットショップを開設できます。 これらのサービスを利用すれば、商品登録、デザイン選択、決済設定などが専用の管理画面で簡単に行えます。 ただし、これらの手軽な方法で構築すると、デザインの自由度や機能の拡張性にある程度の制限があることに注意が必要です。独自性の高いデザインや特殊機能が必要な場合は、専門家や制作会社に相談して、ECパッケージを使った構築やフルスクラッチ開発による構築を検討しましょう。 ECサイトの立ち上げ費用を抑える方法は? ECサイト立ち上げ費用でもっとも手軽なのは、ASPカートサービスの無料・低価格プラン利用です。初期費用を抑えスモールスタートに適しています。ただし、無料プランは機能制限があったり販売手数料が高めになっていたりする点に注意です。 オープンソースCMSはライセンス費用がかかりませんが、サーバー費やドメイン取得費、がかかります。また、構築には専門知識が必要になるため、自社で構築できない場合は外注費も必要になるでしょう。 ECサイトのデザインは、無料のテンプレートや安価なテンプレートの活用やシンプルなデザインの採用で費用削減できます。初期機能は最低限に絞り、事業の成長に合わせて段階的に機能を追加する手法も初期費用を抑えるためには有効な手段の1つです。 ECサイト制作会社に依頼する場合の選び方のポイントは? ECサイト制作会社を選ぶ際は、まず制作実績を確認し、自社の業種や目指すサイトに近い実績があるかを見ましょう。得意分野(デザイン重視か、システム開発か、集客支援までかなど)は会社により異なります。自社の重視ポイントと制作会社の強みが合致するかを見極めることが重要です。 次にコミュニケーションの取りやすさを確認しましょう。担当者との意思疎通に問題はないか、要望はきちんと伝わるか、提案力があるかを確認しましょう。見積もりの透明性も確認すべき点です。 また、公開後のサポート体制も中長期的視点では非常に重要です。 制作会社を選ぶ際は、複数の会社から提案を受け、比較検討することもポイントです。 ECサイトを立ち上げた後、どのくらいで成果が出始める? ECサイト立ち上げ後の成果がでる時期は多くの要因で変動するため、一概には言えません。構築方法、集客戦略、商品特性、市場環境、運用体制などが影響します。 一般的に、SEOの集客効果は数ヶ月~半年程度で現れ始めると言われています。早めに成果を出したい場合は、広告運用を積極的に行うと比較的短期間でアクセス数や売上増加が見込めます。 多くの場合、ECサイトは立ち上げてすぐに爆発的な売上が上がるものではありません。最初の数ヶ月は認知度向上やデータ収集期間と考え、試行錯誤を繰り返しながら改善を重ねることが大切です。 短期的な成果に一喜一憂せず、中長期的な視点で運用計画を立てることが、ECサイトで成果を出すポイントです。 個人でもECサイトを立ち上げて成功できる? 個人でもECサイトを立ち上げて成功することは十分に可能です。BASEやSTORESといったASPカートサービスを利用すれば、初期費用や専門知識をほとんど必要とせずに、誰でも手軽にネットショップを持てます。 SNSと連携させ集客したり、独自性の高い商品を販売したりすることで、ニッチな市場でファンを獲得し成功している事例も多数あります。 ただし個人で成功するには、魅力的な商品やサービス、効果的な情報発信や集客戦略、運営業務をこなす時間管理能力や対応力が求められます。何よりもビジネスへの情熱と継続的な努力が不可欠と言えるでしょう。 自分に合った方法でECサイトを立ち上げてビジネスを成功に導きましょう ECサイトの立ち上げは、あなたのビジネスに新たな可能性をもたらす大きな一歩です。この記事では、ECサイトの基本知識から具体的な構築方法、成功へのポイントまで網羅的に解説しました。 ASPカート、オープンソース、パッケージ、フルスクラッチ、モール出店と、構築方法にはそれぞれ特徴があり、費用や期間も異なります。大切なのは、ご自身のビジネスの目的、規模、予算、将来展望を見据え、最適な方法を選択することです。 ECサイトは立ち上げてからが本当のスタートです。継続的な集客努力と顧客との良好な関係構築が、あなたのビジネスを成功へと導くでしょう。
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